1週間で物価が4倍!? 経済危機のジンバブエで超インフレ状態・年間10万%の可能性も

2007年08月01日 06:30

【ロイター通信】が7月31日伝えたところによると、国際通貨基金(IMF)の担当者は同日ロイター通信に対し、南部アフリカのジンバブエのインフレ率が今年の年末までに前年比で10万%を上回る可能性があると語った。このままのペースでインフレーションが進むと、もっとも大きなインフレ率になるのではないかと懸念されている。

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ジンバブエのロバート・ムガベ大統領率いる政府では1年前に流通通貨において「ゼロ」を3つ取り(つまり1000対1)通貨の単位を切り下げるデノミネーションを実施した。それでもなお貨幣価値は下落しつづけ、インフレーションは進展しつつある。

物価はすでに1週間で4倍に跳ね上がるペースで上昇をつづけ、ジンバブエの中央銀行では8月1日から現行の10万ジンバブエドル紙幣の倍の20万ジンバブエドルを発行し流通させる。元記事によるとこの20万ジンバブエドルは「公式レート」では13米ドル(1560円)だが、実質的には1米ドル(120円)程度にしかならないとのこと。

急速なインフレーションの進展は国民生活にさらに打撃を与えている。政府側は先月、1週間ですべての商品やサービスの価格が3倍に跳ね上がったあとに価格の値上げそのものを禁じる物価統制を行ったが、状況の収拾にはいたらなかった。失業率の向上や各種物価の実質的上昇、外貨不足などで経済は混迷を極めているとのこと。店舗の商品では価格の表示そのものをしなくなったところもあるという。

【これ一枚で一生どころか十生は暮らせる!? アメリカで10億ドル紙幣見つかる】でも触れたように、過去のインフレ話で有名なのは第一次大戦直後のドイツ。「コーヒー一杯を喫茶店で飲むのにトランク一杯の札束が必要。そしてコーヒーを飲んでいる間に値段がトランク二杯に値上がりした」とか「壁紙がもったいないので紙幣を代わりに使った」という、ジョークのような本当の話があるくらい。今でも古銭市場で当時の億単位のマルク紙幣が「レアアイテム」として出回っている。

ジンバブエの経済混乱は長期政権の継続による政治硬直化と2000年に行われた農地の強制収用、さらには干ばつがきっかけとされている。1年間で10万%(1000倍……例えるなら、正月にWiiが買える額のお年玉をもらっても、年末にはチロルチョコ1個しか買えなくなっているというところ)のインフレ状態となってはよほど抜本的な手立てをしない限り、改善は難しいだろう。

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