日本にも「ヒーロー」が必要!?~日本は企業サイト、アメリカは一般人のブログを信用する傾向

2007年07月26日 19:35

インターネットイメージ【エデルマン・ジャパン】が昨年8月に発表した研究報告書によれば、日米でブログやサイトに対する信用度をブログ執筆者に尋ねたところ、日本では「企業の公式ホームページや企業のニュースリリースが信頼できる」としているのに対し、アメリカでは「他の一般人によるブログ」に寄せる信用がもっとも高いことが明らかになった。日米におけるブログやサイトの位置づけの違いがうかがい知れる結果といえよう(【関連リリース、PDF】)。

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これは先に【企業Webサイトは新聞よりも信頼できるとの調査結果】でお伝えした調査の最新データなどを元にしたもので、日本とアメリカそれぞれにおいて情報源に対する信頼の度合を示した調査結果は次のようになる。

ブログ執筆者に「情報源に対する信頼……製品情報について知りたいとき、どのような情報源が信頼できますか」という問いをした際に、「非常に信用できる」「信用できる」と回答した数を合計したもの。
ブログ執筆者に「情報源に対する信頼……製品情報について知りたいとき、どのような情報源が信頼できますか」という問いをした際に、「非常に信用できる」「信用できる」と回答した数を合計したもの。

日本が企業の公式サイト・リリースなど、「商品のお膝元」の情報に厚い信頼を置いているのに対し、アメリカでは「一般人が書いたブログ」に高い信頼性を寄せているのが分かる。

これは日米でブログそのものの位置づけが微妙に異なることに端を発しているものと思われる。日本で「ブログ」といえば日記など、きわめて身近な私文書の公開に近い形の記事展開がメイン。それに対しアメリカでもそのような「日記」タイプのブログも多いが、それ以上に各方面の専門家が「日記」というよりは「研究レポート」あるいはブログを「ウェブサイトの構築簡易化システム」として用い、記事を書いている。

日本では【情報は「面白い」ものを「探して」「共有する」時代へ】でも伝えているように面白さを皆と共有するツールとしてブログが用いられているが、専門性にはやや欠けるところがある。言い換えれば一家言を置くような、権威が見られない。だから人気はあっても信頼性は企業サイトに負けてしまう。要は「所詮ブログだし」なわけだ。

一方アメリカでは各方面の専門家など色々な立場の人がブログを展開している。その道のプロが書くのだから、公式なものでないにせよ、信用が置かれるわけである。

「信頼がないものと扱われてもいいではないか。そういうポジションは公式のサイトやリリースにお任せすればよい」「自由気ままに書いて身内だけで楽しむのだから」という意見も多いだろう。しかしそれではいつまで経っても一般のブログやサイトは薄っぺらいままで、有象無象のままであり、いいように振り回され大量消費・使い捨てにされてしまうだけの消耗品的存在になってしまう。丁稚の立場のままで満足するのならそれでいいが、それを善しとしない人も多いことだろう。第一、そればかりではつまらない。

アメリカのように「企業サイトは信頼できない! リリースなんてもっての他。頼りになるのは個人のブログだけだ」ということになるのも片寄りすぎてどうかと思う。しかしもう少し個人のブログなどに対する信用・信頼度を高められることはできないだろうか。

アメリカのように専門家の人たちにブログを展開してもらい、ブログそのものの質の底上げをするのもよいだろう。現行関連法との兼ね合いもあり難しいかもしれないが、例えばサムライ業の著名人にどんどんブログで思いを語って欲しいものだ(【橋本弁護士】【高橋名人】のように)。

しかしそれと同時に、かつてゲーム業界に「高橋名人」「橋本名人」などのようにヒーロー的な存在が多数存在して業界そのものを引っ張ったように、各方面のブログにもそのような「ブログ発のけん引役的なヒーロー的な存在(ブロガー、専門家)」が必要なのかもしれない。

幸い、ブログ専用の検索サイト【テクノラティ】には【ブログ専門の上位ランキング】がある。これらの上位に位置するブログ執筆者たちにもっと色々な方面で活躍してもらい、その知名度と信頼性を高め、企業サイトに負けないような「頼れるヤツ」と影響力持つものになってほしいものだ。

海外のブログと同じく「●×ブログが報じたところによれば」といった感じで、企業サイトや新聞社系サイトと同列で、ごく普通に頻繁に、情報をお伝えすることができるように……


(最終更新:2013/08/20)

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