こんにゃくゼリーの事故は1995年以降14件発生・硬さも以前と比べて硬化傾向

2007年07月07日 12:00

こんにゃくゼリーイメージ【国民生活センター】は7月5日、ミニカップタイプの俗に言う「こんにゃく入りゼリー」に関する事故を防止するため、消費者へ警告すると共に行政や業界への要望書を発表した。それによると10年前と比べてこんにゃくゼリーの商品群には堅く、弾力性が大きくなっており、のどに詰まらせやすいものが増えていることが明らかになった。センター側ではあらためて「ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーは子どもや高齢者に与えてはいけない」とし、注意を呼びかけている(【発表リリース】)。

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こんにゃくゼリーイメージこんにゃくゼリーについては先に【相次いで事故の発生した「こんにゃくゼリー」、国民生活センターが注意を呼びかけ】でも報じたように、国民生活センターでも注意をうながしている。今回あらためてリリースを出したのは、過去の商品との比較調査結果がまとまったことと、「危険性などを再三指摘してきたのに、改善されていない」とし、行政や業界団体に販売規制を含めた包括的・抜本的な対策を要請するためのもの。

リリースではこの点について、「事故を回避するために1995年以降過去8回にわたってテスト結果や警戒情報を出してきた。過去の当センターの業界及び行政への要望や農林水産省の指導もあり、業界でも表示等の改善努力を図ってきたと思われるが、未だに死亡事故が発生している」「潜在的にこんにゃく入りゼリーによる窒息事故は引き続き起こっていたものと思われる」と説明している。なお1995年以降の窒息事件は14件に登っているとのこと。

国民生活センターでは実際に33ブランド・72銘柄のこんにゃくゼリー、27ブランド・28銘柄の通常のゼリーを購入して実験を実施。1995年から1997年に行った実験の結果とを比較した。

テストの結果、

・過去のテストと比べて非常にかたく弾力性の強い商品群がみられた
・普通のゼリーと比べて一目で違うと分かる形のものはほとんどなかった
・事故報告のあったこんにゃくゼリーの最大径や体積にはばらつきがあった(大きさに関わらず事故は発生していた)
・子どもや高齢者への注意勧告表示は6割以上の銘柄で見られなかった
・子どもや高齢者に与える場合、小さく切って与えるよう注意をうながす表示は7割以上に見られた
・日本では公的基準や規格設定、規制は特に行われていない。一方、アメリカなど諸外国では回収や規制が実施されている。


などが明らかになった。

ゼリーのかたさと弾力性の調査結果。堅い銘柄ほど事故が起こりやすいわけではないが、少なくとも過去の調査の時と比べて弾力性が増している傾向がうかがえる。
ゼリーのかたさと弾力性の調査結果。堅い銘柄ほど事故が起こりやすいわけではないが、少なくとも過去の調査の時と比べて弾力性が増している傾向がうかがえる。

同センター側ではこれらの調査結果を受けて「ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーは、かたさや弾力性等の点及び注意表示の点で業界全体として事故防止のための改善が十分に行われているとは言えない状況にあり、早急に安全性を検討し、厳格な安全対策を講ずるべきである」としている。

最近ドラッグストアやディスカウントストアにこんにゃくゼリーの姿をよく見かけるようになった。その背景には先の事件や今回のような勧告があるのだろう(パッケージのリニューアルによる旧タイプの在庫処分や、ニーズそのものの減少など)。

こんにゃくゼリーの愛食化の一人である当方としては、悲しい事実ではあるが、行政・業界共に早急な対処や対策をほどこしてほしいものである。


(最終更新:2013/08/20)

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