グッドウィルの介護事業を外部に全面譲渡へ・日経報じる

2007年06月12日 08:00

株式イメージ【日経新聞】は6月12日深夜、介護事業の子会社【コムスン】の不正問題で先週から話題を集めている【グッドウィル・グループ(4723)】の折口雅博会長が11日までに、同グループ内のすべての介護事業を譲渡する方針を日経新聞記者に述べたと伝えた。売却先には【ワタミ(7522)】【ニチイ学館(9792)】などの大手が名乗りを挙げている。

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今件は先に【グッド・ウィルグループのコムスン、指定打ち切りへ・グッドウィル側は「いつもの手で」対抗】などでお伝えしたように、グッドウィル・グループの子会社コムスンが介護事業者指定のためのホームヘルパーの水増しと、監査結果による処分が降りる直前に事業所廃止届けを出して全体の処分を逃れようという脱法行為を繰り返したことに対し、【厚生労働省】が新規事業所の設置や事業所更新を認めないと通達したもの。これに対してグッドウィル・グループ側では当初、関連別子会社にコムスンの全事業を譲渡し、事実上事業の指定停止処分を逃れようとしたが内外から批判が集中、監督官庁からも「指導」が入り、一転して事業の外部への売却話に展開していた。

売却方法や売却先については先週末から関連企業が動き出しており、またその動きが報じられているが、大手では先に挙げたワタミやニチイ学館が積極的な動きを見せていた。11日夜にはNHKへの単独インタビューの中で折口会長が「全介護サービスの事業売却方針を固めた」「ワタミやニチイは売却先の有力な候補」と語っている([このページ(nhk.or.jp)は掲載が終了しています])。

日経新聞の記事によると、折口会長は「コムスンは処分対象外の事業所も譲渡」「グループ内の他の子会社も経営していけない、ということになれば出来ない(ので売却せざるを得ない)」と同記者に語っている。

ワタミでは11日までに同社渡辺美樹社長がコムスンの有料老人ホームの受け入れ打診があったという報道があり、ニチイ学館でも一部事業の引き受けを検討していると報じられている(もっともこれら報道では同時に「コムスンがこれまでやってきたサービスをそのまま継承することは難しく、引き受け手ごとの事情にそったサービスの変更はやむをえない」とも報じている)。

なおこれらの事業譲渡の件はあくまでも関連企業の代表者が各メディアのインタビューに答えた話のみ。企業として正式にIRレベルで報じられたものではないので、注意が必要となる。とはいえ、ワタミもニチイ学館も、コムスンの不正問題と指定取り消し処分が報じられた直後から事業の引き受け先として話題に登っていた企業であり、実際の引き受け先として有力な候補であることに違いはない。


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(最終更新:2013/08/20)

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