今度はロイター通信にカナダのトムソンが1兆9130億円で買収提示との報道

2007年05月06日 12:30

イギリスの主要メディアは5月5日、カナダの金融情報サービス【トムソン(Thomson)】が、イギリスの情報配信会社【ロイター(Reuters)】との買収交渉に入ったと報じている。これに対しロイターは正式に「予備的アプローチを受けた」という声明を5月4日に発表した(【発表リリース】)。

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イギリスの情報紙Daily Newsの報によると、トムスン社は金融情報サービス分野で進歩発展するために、最大のライバルであるブルームバーグ社と対抗するため、ロイター通信と提携・買収を行う用意があると5月4日に述べたと伝えている。買収提示額は80億ポンド(1兆9130億円)以上といわれている。

【Inside Market Data Reference】からのデータとしてDaily News上では金融情報サービスのシェアについて分析しているが、それによれば最新のデータではブルームバーグがトップで33%、トムソンは11%に過ぎず、ロイターは23%を占めている。仮にトムソンがロイターを買収すれば、あわせて34%となり「現状では」わずかにブルームバーグを上回ってシェアトップになる。

また、単純な足し引き計算以外でも、トムソンはカナダを中心とした北アメリカ地域に強く、ロイターはヨーロッパやアジアで強固な基盤を持ち、両者の提携・買収は相乗・補完的な効果を示す可能性がある。

今回の一連の報道に対しロイター側では正式に、予備的折衝を受けたことを発表すると共に、具体的にどのような判断をするかについてはまったくの未知数で、現状ではそれ以上発表することは何もないとしている。「適切な必要時に、さらなる発表をする」ともあり、現在ロイター内でも協議を進めているものと思われる。

ロイターの株価
ロイターの株価。
(NasdaqGS:RTRSY)
報道を受け、窓を開けて急騰。

先日【ダウ・ジョーンズ、ニューズへの買収提案回答を保留へ・オーナー一族は拒否】でも報じたように、ニューズ・コーポレーションがダウ・ジョーンズへの買収アプローチを行ったものの、オーナー一族の反対で一時保留状態になっている。また昨日には【米マイクロソフトがヤフーに買収攻勢、海外メディア報じる】にもあるようにマイクロソフトがヤフーに新たな買収攻勢をかけたことが報じられたが、こちらも不調に終わったとの続報が入っている。

「財力にモノを言わせて大きなお買い物が相次いでいる」と見るのか「金融・情報大手で業界再編が一挙に動きつつある」と見るのかは分からないが、大きな流れが起きていることだけは間違いなさそうだ。日本でも同様の業界に再編の動きが見られるのだろうか。

ちなみに先日のヤフーの件同様に、今回の報道を受けてロイターの株価も急騰している。【ヤフーファイナンス(米)のREUTERS GRP ADR(NasdaqGS:RTRSY)】によると、同社株価は前日終値の58.92ドルから26.88%上げて74.46ドルで場を引けている。

(最終更新:2013/08/21)

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