2007年04月20日
楽天がTBSに再度「宣戦布告」・株式の買増し「20%超」や役員派遣提案を通告
【楽天(4755)】は4月19日、【TBS(9401)】株式について出資比率を20%超にまで高めるための買い増しを行う方針を正式に通告し、TBSが導入している買収防衛策の手続きで定めている「買い付け意向説明書」を同社に提出すると共に公開した(【発表リリース】)。TBS側はこれに対し説明書は受け取ったが買収防衛策要綱と照らし合わせて不足する部分があれば、あらためて記載して提出するよう要請するとだけ答えている(【発表リリース、PDF】)。
楽天ではすでに信託預かり分のTBS株式を返却してもらい、19.07%分を所有していたが、4月19日までの市場外相対取引で0.79%相当分を新たに取得。保有比率を19.86%に引き上げている。また以前からの報道で楽天はTBS株式について【エービーシー・マート(2670)】の三木会長が代表を務める企業も買い増しを進めていて、この先楽天と連携するのではという動きも伝えられている。
同日楽天は、6月開催予定のTBSの株主総会で株主提案権を行使し、楽天会長の三木谷浩史氏と、【CCC(4756)】の社長でもある増田宗昭取締役の、TBSの社外取締役選任要請を行うと共に、TBSの新しい買収防衛策について導入は株主総会の特別決議で決定するよう定款に定めるようにと要請している。
元々楽天側はTBSとの包括的な業務提携、最終的には経営統合を目指し一連の株式買い付け・買収劇の主役を演じている。今回株主総会の拒否権発動が出来、経営をコントロールできる33%超ではなく20%超の株式保有にこだわるのは、
・TBSを商法上の持分法適用会社に納めることができる
・TBSの「買収防衛策」発動のボーダーラインであり、揺さぶりをかけられる
・33%超にまで買い増すには資金が足りない
・放送法の問題
などが理由として挙げられる。
楽天では今年に入ってから複数回EB債(【参考:楽天(4755)とTBS(9401)の攻防戦、本当の正念場が来月末に到来・信託期限切れ】)発行をしており、今回明らかにした株式買い増しの資金調達ではないのかとかねてから噂されていた。実際に買い増しが行われるにいたり、この噂はあながち間違っていなかったことになる。
また、電波法第5条4項の3によれば、放送免許の受託資格として
3.法人又は団体であつて、イに掲げる者により直接に占められる議決権の割合とこれらの者によりロに掲げる者を通じて間接に占められる議決権の割合として総務省令で定める割合とを合計した割合がその議決権の5分の1以上を占めるもの(前号に該当する場合を除く。)
イ 第1項第1号から第3号までに掲げる者(日本の国籍を有しない、外国政府かその代表者、外国の法人または団体など)
ロ イに掲げる者により直接に占められる議決権の割合が総務省令で定める割合以上である法人又は団体
と定めている。楽天が単独で20%以上のTBS株式を取得することは、仮に「楽天自身が外資に買収される」か「楽天のTBS持ち株を外資に売却する」とした場合、TBSが放送免許を無くしてしまうことになる。放送局にとって放送免許を失うことは、廃業宣告をされたことにも等しい。
つまりTBS(を含む放送局)にとっては例え国内の企業や団体、個人であっても20%以上の株式を持たれることで、「(今件では楽天の)言うこと聞かないと外資に手持ち株式売って、あなたの放送局生命を絶たせてしまうよ」という無言のプレッシャーをかけられることになる。
一時休戦状態での交渉が続いていたTBSと楽天間の駆け引きも、楽天側の「しかけ」で第二ラウンドが始まった形になる。今後両社、さらに関連する法人などがどのような動きを見せるのか、注目に値するところだ。
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