政府主導版バイオ燃料E3、8月から発売へ

2007年04月14日 11:00

バイオエタノール・ジャパン・関西イメージ【環境省】は4月13日、主に廃材などを原材料として作られたバイオエタノールをガソリンに混ぜて作ったバイオ燃料の普及に向けた事業を大阪府に委託することを発表した(【発表リリース】)。今後この事業計画に基づいて8月初旬から、大阪を中心とした10から15か所のガソリンスタンドでバイオ燃料の販売が行われる。

スポンサードリンク

とうもろこしやさとうきび、廃材などを原材料に作られたバイオエタノールを既存の化石燃料であるガソリンと混ぜて使用する「バイオ燃料」は、現在石油元売各社が主導する「ETBE」方式と、政府が主導する「E3」方式の2通りについて、日本国内での普及が図られている。

前者については【石油元売りが進める「バイオ燃料」の輸送船第一便フランスから到着、27日から試験販売】にもあるように、先日フランスから輸入されたものを元に、今月末から首都圏での発売が開始される。

今回は政府主導の「E3」と呼ばれる、バイオエタノールをガソリンに3%混ぜたタイプのバイオ燃料。【バイオエタノール・ジャパン・関西】が廃材を元に精製したバイオエタノールを、【中国製油】がガソリンと混ぜて、関東・関西のガソリンスタンドで販売する予定。リリースを見る限り、「ETBE」との違いをアピールするためか「とうもろこしなどを使わずに済む」という点を強調しているようにも見える。

今回決定した事業によって供給されるバイオ燃料は、主に地方公共団体や企業の公用車、企業所有車両が用いることになる。なお価格は通常のレギュラーガソリンなみとのこと。

ただしリリースを見る限り、現在このルートで精製できるバイオエタノールは年間1400キロリットル、E3は4万6700キロリットルにしか過ぎない。現在の生産力では「2010年度には原油換算で50万キロリットルのエコロジー燃料を導入する」という計画にははるかに及ばない(バイオ燃料は純粋なガソリンと比べると熱効率の面でやや劣るという説もあり、それを考慮するとE3は原油換算で3万強から4万キロリットル程度という計算になる)。

残りは石油元売サイド方式のバイオ燃料に頼らざるを得ず、しばらくは両方式のバイオ燃料がガソリンスタンドごとに見受けられるという、消費者側にとっても混乱する状況が続くことだろう。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ