TBS「みのもんたの朝ズバッ!」で不二家報道にねつ造問題発覚、TBSは事実を認めるも「ねつ造などはない」

2007年03月29日 08:00

不二家イメージ【日経新聞】など各新聞サイトが報じたところによると、【TBS(9401)】が1月22日に教養情報番組[このリンク先のページ(tbs.co.jpなど)は掲載が終了しています](朝ズバ)の中で放送した、【不二家(2211)】に関する内容につき、事実と異なる部分が存在したことや、その件を放送直後から不二家から指摘されていたにも関わらず、今まで公表してこなかったことが明らかになった。TBS側は3月28日になって不二家の「信頼回復対策会議」の事実公表を受けてようやく今件について認め、公開した。しかし現在に至るもTBSのIR、および番組の公式サイト上に今件に関する情報は一切掲載されていない。

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「期限切れのチョコを再利用」しかしシステムそのものが存在せず

これは「朝ズバ」の中で、「新証言 不二家の“チョコ再利用”疑惑」と称して次のような放送が行われていたもの。

・不二家の元従業員の話として「賞味期限が切れて、店で売れ残った商品を集め溶かして製造し直した」と報じた。
・キャスターが「賞味期限切れのチョコレートには牛乳を混ぜ合わせて新しい製品として出荷している」と図解つきで説明した。
・上記二点を元に不二家の品質管理について疑問を呈した。
・司会のみのもんた氏も「もう信じられません。すべての製品にこういうことがある」とコメント。翌日も「廃業してもらいたい」と発言、不二家の顔写真に×印プレートを貼った。


TBSでは今件の放送前に不二家で電話取材として「返却されてきたチョコレートを再使用していたか」「賞味期限切れのカントリーマアム(クッキー)を新しいパッケージに入れて製品としていたか」という2点について問い合わせ、不二家担当者はチョコレートの再利用の否定と「平塚工場でカントリーマアムは作っていない」という内容を回答した。しかし結論としてTBS側では上記にあるような内容を放送している。

不二家は放送直後から再調査を求める、しかしTBSは今までそれを公表せず

これに対し不二家では放送直後から「賞味期限が切れたチョコレートは廃棄処分をしている。再処理し、商品化することはない」「問題となった神奈川県の平塚工場ではそもそもチョコレートを回収するシステムは無く、イラストで説明された牛乳を混ぜるプラントも存在しない」としてTBS側に調査と放送内容の訂正を求めていた。

今件については今まで一切報じられていなかったが、不二家側では「信頼回復対策会議」が「報道は不二家に営業上重大な損失を与えた」とし、3月30日に公表の調査報告書に盛り込む予定であることを今回公表した内容と共に28日の記者会見で発表。

これを受けてTBS側でもようやく事実確認の結果を発表し、番組内容について

・「牛乳を混ぜ合わせた」と伝えた部分は「正確ではなかった」。
・インタビューした元従業員が働いていたのは10年以上前で、今も行われているように伝えたのは視聴者の誤解を招きかねない。


と説明し、放送の内容について問題があったことを認めた。しかし今件については今にいたるもIRや番組サイトなどでは一切公表されていない。

各報道機関によるTBS側の事実確認発表の内容を読む限り、「間違いだった」といえば済むものを「正確ではなかった」としたり、「インタビューした元従業員が働いていたのは10年以上前だから(当時はやっていたのだろうが)今でも行っていたというような表現は良くない」として、不二家側が事実誤認であると主張している部分をあくまでも認めず、自己の責任を回避するような「番組内容が間違いであるのを認めているか認めていないのか分からないような、謝罪しているのか開き直っているのか分からない」コメントにしか読めない。

オマケに、繰り返しになるが今にいたるもインターネット上で(東証の適時情報開示システムも含めて)一切情報を配信していない始末。TBSのの井上弘社長は28日の定例会見で「取材が正しいかどうかという議論はあるが、ねつ造とは別。なんでもねつ造とつければいいのかという気がする」とコメントし、開き直りの態度すら見せている。

またTBSか・自称「メディア」としてのTBSの存在事由

TBSはかつての坂本弁護士問題をはじめ、最近のものをピックアップしても、複数回における石原都知事のインタビュー記事編集問題事件(この時は「もう一度やったら免許はく奪」とまで石原都知事に言わしめた)、【「人間!これでいいのだ」】での「演出行き過ぎ」問題、掲示板のねつ造問題、ゴルフ中継における「その方が盛り上がるから」として順位を事実と異なる形で発表した順位偽装問題など、しょっちゅう自らが口にしてる「マスメディア」「マスコミ」という看板を掲げるには首を傾げざるを得ない「ねつ造問題」「メディアとしてあるまじき行為」を繰り返している。

今件も「世間で不二家叩きが流行っているから、ここでまた人気のみのさんに叩いてもらって視聴者にうなづいてもらおう、これで視聴率もぐんぐん上がる」という思惑が容易に見て取れるような問題であり、一言でいえば(不二家にしてみれば)「いわれのないでっち上げ」といえる。さらに不二家側が公開してから初めて事実を認め、しかもその認めた内容も言い回しを変えて責任を回避しようとしている意図があからさまに分かるようなもの。

このような姿勢を続けては「メディア」として面目などありようはずもない。総務省側も真剣に、放送免許の一時停止なりはく奪なりの措置を検討するべきではないだろうか。言論の自由云々と反論する向きもあるだろうが、「自由は自由奔放ではなく義務と責任において成り立つもの」「FREEDOM IS NOT FREE(自由はタダではない)」という言葉にもあるように、責務を果たせないものに適切な処分を行わないのでは、「これだけやっても大丈夫なんだ」と経験を積ませるだけである。

先日、「あるある大事典II」の問題で民放連は関連放送局に除名処分を行っている。総務省も3月30日にも警告を行う予定だ。今回のような恣意的な捏造報道は、除名処分はおろか放送免許剥奪物モノにあたるのではないかと思われるのだが、どうだろうか。さもなくば「ダブルスタンダード」「自主規制の仕組みが働いていない」と非難のそしりを受けても仕方はあるまい。

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