TBS(9401)が「人間!これでいいのだ」で演出行き過ぎとしておわび・ただし「ねつ造問題とは違う」と認識

2007年02月08日 08:00

時節イメージ[このページ(nhk.or.jp)は掲載が終了しています]などの報道によると、【TBS(9401)】が「家族みんなで楽しめる、心と体の不思議を紐解く知的エンターテイメント」と銘打って毎週土曜日夜7時から放送している[このページ(nhk.or.jp)は掲載が終了しています]において、事実とは異なる表現を複数用いて番組を演出していたことが明らかになった。現在TBS関連サイトには番組公式サイトもあわせ、今件に関する告知文などは掲載されていない。

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今回「演出」が発覚したのは、2月3日に放送された「頭のよくなる音・ハイパーソニック音という特殊な音を聞くことで頭がよくなる」というコーナー。TBS側が「演出」と説明した部分は次の通り。

・「ハイパーソニック音が出る風鈴」を設置して聴かせている学習塾が紹介されたが、実際にはこの学習塾には風鈴は無く、番組制作スタッフが風鈴を持ち込み、教室に下げるよう頼んで撮影していた。
・「特殊な音を聴くと頭がよくなる」という内容のインタビューを大学研究者に依頼したが「そのような研究はしていない」断られた。しかし番組ではその研究者の論文を番組内で無断で使用した。
・番組司会者が「特殊な音を聴けば頭がよくなる」と断定的表現を繰り返して使った。


これらの「演出」についてTBS側では「行き過ぎた演出や表現があり、視聴者に誤解を与えたとしたら、おわびいたします」と謝罪するコメントを発表しているという(繰り返しになるがIR上にも公式サイト上にも発表は行われていない)。また、この番組は一連の「あるある大事典II」の「納豆問題」が発覚した後に収録されたもので、制作構造上は「あるある」と同じように、下請け番組制作会社が担当していたとも説明している。

ただしTBS側では「今件はねつ造問題とは違うと認識している。放送の中で視聴者に直接おわびすることまでは今の段階では考えていない」ともコメントし、現時点では問題提起されるほどのことをしたとは考えていない考え。

「演出」と「ねつ造」と「でっち上げ」と「創造」。これらの線引きが難しいから当事者側の判断でよいだろう、とするTBS側の主張にも一理ある。また、「誤解を与えてしまい」ではなく「誤解を与えたとしたら」と表現している以上、TBS側では「してはいけないことをしてしまった」という認識は無いようだ。また、「知的エンターテイメント番組」であって「報道番組」ではないから、「これくらいの演出(と、TBS側では定義している)も当然。どこに問題があるのか」と考えている向きも否定できまい。

TBSは東京都石原都知事の会見をまったく逆の意図に見えるように「ねつ造」し、石原都知事から訴えられ、関係各庁から「今度似たようなことをしたら免許取り消し」という「指導」を受けている。十分に反省をしているかのように見られたが、直後から何度と無く「二度目だ!」と指摘されても仕方の無いような「演出」などを繰り返している。

今件も当初から「下請け番組制作会社が担当していた」と説明しているあたり、「何かあったら下請けのせいにすればよい」という予防線を張っているようにも見受けられるし、視聴者の少なからず人が「これが『あるあるII』が納豆でやったこととどこが違うの」という意見を持つことだろう。

楽しませてくれる「演出」は一向に構わないが、映画『マトリックス』の世界ではないのだから、「ウソで塗り固められた虚構の世界でそれを知らされずに楽しむ」のは勘弁こうむりたい。「それでもOK!」と仮にTBSが主張し続けるのなら、「狼少年」の話ではないが、テレビから流れる話を信じる人は誰もいなくなることだろう。

少なくとも多くの視聴者が「家族みんなでだまされる、心と体の不思議を紐解いたように見える痴的エンターテイメント」などというものなど、見たくもないはずだ。また、そうでないよう心から祈りたい。

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