警視庁採用の「携帯用小盾」後日談・コンビニにもありました

2007年03月17日 19:30

携帯用小盾イメージ先に【警視庁が防犯用に小型の盾「携帯用小盾(こだて)」の配備を開始・バインダーとしても使えます】でお伝えした、警視庁が採用し東京都内の交番・駐在所に配備が行われた、防犯用の「携帯用小盾(こだて)」に関する後日談を。この記事が掲載された後、読者の方から掲示板で次のような情報が寄せられた。

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「携帯用小盾」がコンビニにもあるぞ、というお話。そして取材敢行

読者の方いわく、

Sas:警察の小型盾ですが、(諸事情により伏字)にも置いてあるようです。よく行くお店では、夜になるとレジの横に設置しています。訓練を受けた警察官ならともかく、アルバイト店員が使って役に立つのか疑問ですが…(笑)


とのこと。コンビニでの買い物はしょっちゅう行うが、さすがにそこまでは気がつかなかった。せいぜい防犯用のカラーボール(だいだい色をしていて投げるとペンキが対象物にかかる。「対象者」を特定するためのもの)が目に留まったくらい。

先の記事ではいまだに配備のリリースや写真は警視庁の公式サイトに掲載されていないし、画像がまったく無いのもシャクだ(新聞社やテレビには一般公開されているので、目にした人も多いだろうが、著作権の問題から「引用」はできない)。同じ、あるいは類似のものでもビジュアルがあれば……ということで早速近所の複数のコンビニに取材敢行。

複数種類のコンビニチェーン・店舗を周ってみたが、情報通り類似の「携帯用小盾」を配備していたのは1企業のコンビニチェーン店だけだった。さすがに防犯用カラーボールはどこの店にもあったが、事情を話して「携帯用小盾」があるかどうかを聞いても「初めて耳にした」という回答ばかり。中には名刺を出したにも関わらず、店長を呼ばれて怪しいモノを見る目つきで詰問されてしまったところもあったくらいだ(やれやれ)。

コンビニ配備の「携帯用小盾」とは

コンビニ配備の携帯用小盾イメージさてそれらの中で、唯一配備が確認された某大手コンビニチェーン店の一店舗で、ご好意により写真を数枚撮らせてもらい、じっくりと内容を見せてもらったので、ここでレポートする。

素材はやはり透明の硬化プラスチックス・あるいは合成樹脂製。重さも1キロはないだろう。警視庁装備のより構造はシンプルで、バインダー代わりに使うためのクリップも無い。取っ手に手をはさんで持ち、対象の攻勢をたくみに弾くのを目的とするという用途も同様だ。この「携帯用小盾」は普段は「店中の」「いざという時にはすぐに使えるような場所」に、さりげなく配備されている。

なおこの盾について、読者の方は「訓練を受けた警察官ならともかく、アルバイト店員が使って役に立つのか疑問ですが」と述べていたが、その点について聞いたところ、「本部から使用方法は説明を受けているが、実際に訓練したことはない」とのこと。冷静に考えてみれば、コンビニのバイトや店員の教習に、シールドの巧みな使い方と言うのも少々問題があるような気もする(とはいえ、無いよりはあった方がいいのも事実だ)。

補足説明と追加情報

コンビニ配備の携帯用小盾イメージ今件の説明の中で「某大手コンビニチェーン店」「いざという時にはすぐに使えるような場所」と表現をぼかしているのには理由がある。防犯上の都合から、店舗・チェーン店名や配備している場所を特定しては問題があるのでは、という配慮から。

仮に「●×店では▲□においてありました」と書いた場合、「ならば他のチェーン店にはないのだな」「あの場所を最初に制圧すれば使われずに済む」と良からぬ者が考えるかもしれないからだ。ささいな事でも「手の内」は見せない方がよい。いや逆に「コンビニのレジ下にはM16ライフルと棍棒にヌンチャク、44マグナムやM72ロケットランチャーが配備してあり、店員はすべて柔道・空手初段の持ち主で防刃・防弾チョッキを制服中に仕込んで、いざと言う時には目からビームとパルスレーザーも出せるんですよ」と書いた方が効果的か(違)(逆にあからさまに分かるような場所に置き、抑止効果を狙うやり方もあるが……)。

楽天市場で市販されている携帯用小盾イメージちなみにこのタイプの小型携帯用小盾だが、『楽天市場で確認したところ』複数種類が販売されているのが確認できた。大きさや使い方はほぼ同じだが、中には防刃だけでなく防弾効果を持つものもあるようだ。個人ベースで使う機会はないだろうが、例えば個人経営店舗を営む方には、あるいは必要性が出てくるのかもしれない。


コンビニエンスストアはその特性から、地域のコミュニティとしての位置づけや文化・情報の発信拠点など、さまざまな「地域生活の要」としての地位を占めるまでになっている。それだけに多くの人や情報、経済上のさまざまな資源(商品・現金など)が流通するため、どうしても目立ち、今回のような「小盾」が必要な状況におちいる場合もありうる。

あまり知られていないことではあるが、コンビニの各店舗・各チェーン店は自らを、そしてお客と地域の生活を維持するため、影で色々と考え、努力し、備えている。今件ではそのことがあらためて確認できたといえよう。

ともあれ、今回取材・撮影を許諾していただいた某コンビニの方々には改めて御礼申し上げたい。ありがとうございました。


(最終更新:2013/09/02)

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