テレビCMの非視聴率は35.1%~DVD・HDDレコーダー利用者の過半数が「テレビCMのほとんどをスキップ」

2007年03月25日 11:00

テレビイメージ【iMiリサーチバンク】が3月22日発表した調査結果によると、テレビ録画に「DVD・HDDレコーダー」をもっとも利用しているのは半数近い47.5%となり、その中で過半数の利用者が「テレビCM(コマーシャル)のほとんどをスキップしている」と回答していることが明らかになった(【発表リリース】【念のためウェブ魚拓】)。テレビCMの有効性・露出性について活発な論議が行われている昨今、注目すべき調査結果といえる。

スポンサードリンク

今調査は3月8日から12日、全国の男女に問い合わせたもので、有効回答数は1463件。

テレビ録画にもっとも利用しているのはどのような機器かという質問には、「パソコンを含むDVD・HDDレコーダー」が47.5%と半数近くを占め、「ビデオテープレコーダー」の45.7%をわずかながら超える結果を出した。誤差の範囲という受け止め方もできるが、テレビ録画の主役がいよいよビデオテープからDVD・HDDに移行した感もある。

調査結果レポートには色々なデータが掲載されているが、中でも気になるのは「ハードディスクに録画した番組を視聴するとき、テレビCMをどの程度スキップしますか?」という設問。

「ハードディスクに録画した番組を視聴するとき、テレビCMをどの程度スキップしますか?」
「ハードディスクに録画した番組を視聴するとき、テレビCMをどの程度スキップしますか?」

「全部」と答えた人が3割近い28.4%に達し、「80~100%未満」の33.4%を足すと61.8%の人が「ほとんどテレビCMをスキップする」と回答していることになる。「スキップ無し」「1~20%未満」という、実際のところ「スキップはしない」派はあわせても13.2%にしかならず、DVD・HDDレコーダー利用者のほとんどは「テレビCMスキップ機能を有効だと感じ、活用している」ことになる。

多少煩雑だが、各パーセンテージの階層を中間値でならし、それぞれの割合を考慮した上で平均化すると、DVD・HDDレコーダー利用者への放送で録画された放送の中では、約73.1%のテレビCMがスキップされるという結果が出る。

これをさらに、今調査中の設問の一つ、「(DVD・HDDレコーダー利用者に対し)テレビ視聴の全時間のうち、リアルタイムではなく録画撮りしたものを見る時間の割合はどのくらいか」という問いへの回答を元にやはり平均化した値、テレビ視聴全時間のうち録画取りしたのを見る時間は約48.0%をかけると、

DVD・HDDレコーダー利用者がテレビCMをスキップする率は35.1%


ということになる。実にテレビCMの1/3が「視聴されずにスキップされている」という結果が出る。ビデオテープレコーダーを使い、リアルタイムで見ずに録画したものを視聴し、テレビCMをスキップする人もいるだろうから、実質的には「レコーダー利用者全体の4割程度」と見てよいのではないだろうか。

一年以上前に【既存メディアが焦るワケ……テレビCMの限界が見え始めた、らしい】でも触れた、ネットの普及などでテレビCMがかつて持っていた神通力が失われつつある」だが、実質的・物理的な数字としてその一端がかいま見れたことになる。今現在でもテレビのメディアとしての影響力は否定しようもないが、技術の進歩によりこれまでとは違う状況に移り変わりつつあることだけは確かなようだ。


■関連記事:
【「TV CMはもう駄目なのか」、だとしたら「なぜ」なのか、そして「ライバルたるインターネットとどう付き合うべきなのか」】
【番組連動テレビCMの単発ドラマ「鉄板に恋をして」が放送、その内容は……】


(最終更新:2013/08/22)

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ