番組連動テレビCMの単発ドラマ「鉄板に恋をして」が放送、その内容は……

2006年01月30日 12:10

時節イメージDVDレコーダーの普及や映像情報メディアの多様化、価値観の変化からテレビCMの効果が薄れてきたのではないかという懸念が業界内で問題視されている中、ドラマをはじめとするテレビ番組の中で現状よりももっとコマーシャル側によった「ドラマ内広告番組」「劇中CM」の効果が期待されている。その動きは【読売テレビ、6月にもドラマ内広告番組試験提供】でも紹介したが、先日1月28日深夜に、それに先がけて電通(4324)朝日放送(9405)が「劇中CM」の単発ドラマを実験的に放送したという(参照記事:広告担当.com)。

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記事によればそのドラマの名前は「鉄板に恋をして」。ドラマのストーリーの中で商品を紹介し、通販の仕込みを組み込むもの。電通側としては「商品宣伝と物販を同時に行えるため新たな広告手法としてアピールし、クライアントの獲得を狙う」意図があるらしい。一週間前から「この商品を買いたい人は番組を見てね」という番組宣伝を流していた。

既存の放送法では番組と広告を明確に区別するよう定めているため、紹介する商品がドラマ中にストーリーに組み込まれる形で映し出されて具体名が挙がっても、テロップで「詳細は番組の最後で」と購入方法への誘導が行われるのみ。CMに該当する商品紹介の最初と最後には、CMと本編の区切りをあらわすコピーが映し出されるという仕組み。

実際に放送されたドラマを見ていないので具体的言及は避けるが、記事を読んだ限りでは以前懸念したとおり、ドラマの中でのさりげない宣伝というより、半ば無理やり広告商材を押し込んだ広告のような宣伝番組に仕上がっていたようだ(記事中の表現では「ドラマの中にさりげなく宣伝する」というよりも「商品の宣伝がドラマ仕立て」という印象だった、とある)。

特に最後の段落における言及は、当方(不破)の思いとまさにベストマッチしている部分が多いので、そのまま引用させていただくことにしよう。

劇中CMは商品の良さや機能を紹介するのには、実際の使用場面をわかりやすく紹介することは重要と思われる。更にファンとして好意を抱いている俳優が使用したりするシーンを見せることで、より広告効果が高まると思われる。しかし、ドラマの一部と思っていたらCMだったと違和感や不満を抱く視聴者はいるだろう。放送法や放送の公共性を考え、視聴者に受け入れられやすい表現方法を考える必要があるだろう。


ひとことで例えるのなら「だますなら もっとじょうずに きもちよく」というところだ。番組宣伝もどきのドラマで通常のドラマよりも大きなスポンサーが期待できるのなら、シナリオ作りにももっと経営資源を割くべきで、それを行えばもう少しまともなものもできると思うのだが。


■関連記事:
【「ドラマ内広告」の増加にアメリカの脚本家組合が抗議】

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