荏原(6361)がバイオエタノール事業に参入・日経報ず

2007年03月09日 06:30

バイオエタノールイメージ【日経新聞】は3月8日、【荏原(6361)】が自動車燃料用のバイオエタノール事業に参入すると報じた。生産性をこれまでの10倍から20倍に高める技術を開発し、製造プラントの販売や自社でのバイオエタノール生産に乗り出すという。この技術を用いれば、バイオエタノールをガソリン並の価格に近づけることができると推測している。

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元記事によると今回荏原が開発した技術とは「エタノールを取り出すための菌を従来の100倍程度用いて、常に菌が活動している状態を保ち生産性を高める」というもの。発酵時間をこれまでの2日~3日かに、4~5時間で済むようになる。さらに材料もさとうきびやとうもろこしだけでなく木くずや生ごみからでも作れるのがミソ。

今件については他紙の掲載が無く、また荏原自身も一切のリリースを出していないのでこれ以上の情報が得られないが、過去の情報を調べると【富士経済のバイオマス関係のレポート】によれば、アメリカのカーギルダウ社が独占していた「ポリ乳酸化」という技術において、荏原が「生ごみや古古米、廃木材などを対象にしたポリ乳酸化技術の開発に取り組み」とする表記が見受けられる。

また、2005年2月には【北九州のエコロジー関係紙】において、荏原も参加した、廃木材や間伐材からバイオマスプラスチック(ポリ乳酸)の原料を製造する施設が完成し実証実験が始まったと報じている。【環境goo】にはもう少し詳しい説明が行われている。今回日経が先行報道した(と思われる)荏原のバイオエタノール技術は、これらポリ乳酸技術を応用したものか、そのものだと推定される。

とうもろこしやさとうきびなどの食料品をバイオエタノールの原材料に用いることは、効率性の高さやこれまで研究が進んでいたことなどから積極的に採用されている手法ではある。しかし【「燃料>食品」なとうもろこし事情】にもあるように、原油高の影響で「本来食品にまわすべき食料まで燃料にされてしまう」という問題が生じている。その点、廃木材や間伐材も利用できるとする今回の技術は、よりいっそう「地球に優しい」(そして人間にも優しい)技術といえるだろう。

荏原の正式発表を待ちたいところだ。

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