お絵描き看護師がつづる「医療安全対策いろはかるた」が人気

2007年02月25日 12:30

「医療安全対策いろはかるた」イメージルールに反した臓器移植問題や医療ミスの相次ぐ発覚で、医療に対する感心が高まりつつある昨今、医療現場で起き得るミスを防ぐための標語を集めたかるたこと「医療安全対策いろはかるた」に今あらためて注目が集まっている。

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この「医療安全対策いろはかるた」、一般に市販されているものではなく、兵庫県赤穂市にある【赤穂市民病院】の医療安全対策委員会が制作したもの。現役のナースマン(男性看護師)小玉高弘氏が半年かけて44枚分のイラストを描き作成した、いわばハンドメイド。文言内容(標語)も

「いりょうミス一件一瞬二億円」
「あわてるな忙しいほどゆっくりと」
「ニアミスも見逃すまいぞ一件も」
「れんらくのミスで始まる医療事故」
「せいめいは口で言うより字で確認」



など、医療の現場に即した内容のものばかり。これらの標語は病院内で募集したものを元に作成されており、まさに絵も文字もすべてオリジナル度100%のもの。このカルタを同病院では実際に研修の一環として用いているそうな(【参考:赤穂市民病院院長邉見公雄氏の講演】)。同委員長は講演の中で「暗い医療界で何か良い事をしないといけない、明るい事ないかなあと思い悩んでお正月に田舎に帰りました。すると弟達の子供がカルタをしていました。教訓性があってスキンシップがあって従姉妹同士が仲良くなって楽しんでいる。そして字を覚えていく訳ですよね。これだ、これこそ病院医療に必要だと思ったわけですね」と、この「医療安全対策いろはかるた」を作成するきっかけを説明している。

また、かるたという分かりやすく皆が集まって楽しめる教材ということで、院内のスタッフのコミュニケーションツールとしても役立つものとして注目を集めている。赤穂市民病院では年二回、新人研修と職場対抗戦において、このかるたを用いたかるた大会を実施しているとのこと。

このかるた、病院や【イラストの作成者のサイト】などを見れば分かるように、口コミでその有効性などが広まり、今では300以上の病院や看護学校、医療機器メーカーで教材として用いられているという。

今回当方(不破)も標語の一部を目にする機会を得られたが、医療関連の記事はもちろん、以前入院していた時に遭遇したさまざまなイベント出来事を思い起こさせるようなものもあり、複雑な思い出がよみがえってしまった。

このかるたの作成は2002年前後のようで、すでに5年ほどの月日が流れていることになる。「最新ニュース」としてはいささか問題があるのかもしれないが、文頭で説明したように「今この時期に必要なものかもしれない」ということで、あらためて紹介させていただいた。

調べた限りでは通常の玩具・書籍の販売ルートには乗っていないので、一般の人が「医療安全対策いろはかるた」を入手するにはいささか苦労することになる(詳細は上記イラスト作成者のサイトなどをご参照のこと)。イラストのタッチもいわゆるコミカル系・萌え系の系統に属するもので、親しみやすく、また一部特異な趣味を持つ人にはノドから手が出るほど欲しがるものかもしれない。……もちろん当方もこういうものは大好きである:P


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