ヤフー(4689)がジャスダックにもあらためて上場

2007年02月17日 06:30

株式イメージインターネット検索サイトでは最大手の[ヤフー(4689)]は2月16日、一時期上場していたジャスダック証券取引所に2月28日にも重複上場すると発表した【発表リリース】。重複上場に伴う株式の新たな公募や売出しは行わない。「株式取引の円滑化が目的」としている。

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現在ヤフーの株主構成は[ソフトバンク(9984)]が筆頭株主で41.1%、アメリカのヤフーが第二位で33.4%を占めており、この二社だけで74.5%の株式を所有していることになる。東証では「特定株主の出資比率が75%を超える状態が1年以上続くと上場廃止になる」というルールがあるため、「さらにソフトバンクなどが買い進めたらヤフーは上場廃止になるかも?」という不安定要素があった。

ヤフーでは今回の、ジャスダック市場への再・重複上場について

・取引機会の増大
・証券取引所の一極集中によるシステム上の問題などのリスクを分散
・ジャスダックは成長性の高い企業が数多く上場するというイメージが強い


などと「公式の」理由を挙げている。先に説明した「上場廃止の懸念を払しょくする」件には公には触れていない。

ヤフーは1997年にジャスダックに上場し、2003年には東証1部に「昇格」を果たしている。取引所を改めた後に小さい規模の方の取引所での取り扱いを取りやめるのはよく聞く話だが、事情はともあれ逆に「大から小へ」の追加上場はあまり聞かない。東証上場企業がジャスダックにも重複上場するのは【日本駐車場開発(2353)】についで二例目に過ぎない。

ヤフーでは毎年のように分割を繰り返しているが、今年度末においても「分割を行う予定」と以前から発していた。ところが東証では【東京証券取引所、1万円以下の投資単位を認めないように株式分割時のルールを見直しへ】【東証、株式売買の最少金額単位を「5万円」へ】にもあるようにライブドアでの経験から、「投資対象単位が5万円以下になるような分割は望ましく無い」という方針を提示している。

これらのことから、「ヤフーでは分割後も単元で5万円以上になるように今年度末までに株価を吊り上げるか、さもなくば上場取引所を変更するのでは」という推測も行われていた。

今回別の理由によりジャスダックへの重複上場が正式に決まったわけだが、今後の株価動向いかんでは東証からの脱落・ジャスダックのみでの上場維持という可能性もありうる。とはいえ「東証に上場」というブランドは大きい。「特定株主の保有比率」や「株式分割」と比べて「東証に上場」を捨てられるかどうかと冷静に考えると、その可能性はまず考えられない。

ヤフーでは今後リスク回避やブランドの付与という大義名分を打ち「万一」に備えつつも、何らかの手を打ち東証の上場維持の方策を打ち出してくるだろう。


(最終更新:2013/08/22)

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