山崎製パン(2212)、初めて公式に不二家(2211)への資本提携の考えを示す

2007年02月21日 06:30

不二家イメージ【山崎製パン(2212)】は2月20日に開催した決算発表会の記者会見において同社社長の飯島延浩社長の言で、現在技術・運営ノウハウの提携を進めている【不二家(2211)】に対し、今後資本注入による資本提携にも踏み込む意向をはじめて明らかにした。

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品質管理のずさんさが発覚して経営が悪化している不二家には、【不二家(2211)、山崎製パン(2212)から食品衛生管理体制整備の面で支援受託を発表・資本提携は引き続き検討中】でも報じているように同じ業界の山崎製パンがすでにソフト・ノウハウ面での支援を開始している。しかし資本支援については何度と無く「不二家が要請している」「山崎製パンでは検討している」という報道がなされたものの、両社とも資金面における提携については明確な言及を避けていた。

今回山崎製パンの飯島社長が、

現場を直すためには、設備投資や人員の入れ替えが必要であったり、基本的にはトップの仕事になってまいります。(中略)継続的に維持をすることを考えますと、不二家と一緒になってやる必要があるのではないかと。


不二家のお菓子イメージと不二家との資本提携にも踏み込む考えを始めて示した。具体的には来月中をめどに出資比率をどの程度にするのか不二家側と協議して決める方針とのこと。

現在行っている技術面や衛生管理における支援は現在も洋菓子などの菓子類の製造工場で続けられており、菓子類については3月上旬から、洋菓子については3月末までにも製造を再開できるようになる予定だと説明している。

また、フランチャイズ店での販売が再開した直後は不二家商品が不足する可能性もあるので、山崎製パンの商品をOEMで供給し、さらに物流面でも要請があれば検討するとも述べ、商品提供・流通面でもサポートする姿勢を見せた。

今後不二家は山崎製パンから技術面に加えて資本参加を受けることで、消費者とフランチャイズ店の信頼回復や経営再建を目指すことになる。

山崎製パンの支援方針が今後変更しない限り、今回の発表で全面的なバックアップを不二家が受けることがほぼ固まったことになる。とはいえ、「設備投資や人員の入れ替え」に必要な経費を山崎製パンから不二家に投資する場合、単なる第三者割当増資であった場合にも既存株主には利益の希薄化が生じることになるし、万一減資の上の増資ともなれば、既存株主らは頭を抱えてしまうことだろう。

実際には後者は恐らくないだろう。が、「支援現実化による体制立て直しという明るい見通し」と「希薄化による株価下落圧力」のどちらの影響力が大きくなるか。その見極めが今件ではかなり難しそうだ。

もっとも、ペコちゃんやLOOK、カントリーマームなど不二家のおなじみのお菓子のファンで、今件のようなことがあってもずっと声援を送りたいと考えている人には、今が長期投資スタートのチャンス、なのかもしれない。


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(最終更新:2013/08/22)

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