不二家、黒字転換見通しは難しく大幅赤字は確実へ

2007年02月10日 08:30

不二家イメージ【不二家(2211)】は2月9日、2007年3月期第3四半期における財務業績状況を発表し、その中で一連の不祥事問題が財務に与える影響について、「営業の再開の時期により大きく変動する」とし、通期業績予想の修正は行わなかった(【発表リリース、PDF】)。しかしながら当初は黒字と見込んでいた営業損益が大幅な赤字におちいることは確実で、市場に与える影響が懸念される。

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発表された2006年4月から12月までの9か月間の決算によれば、ケーキ販売のかきいれどきである年末を含めた時期であるものの、洋菓子や外食などの事業で売り上げが減少。営業利益は1億0900万円、経常利益は1億3800万円の赤字となった。前年同期比で売上高こそ落ちているものの、販売管理費の節約により両利益とも改善しており、このままのペースで行けば数年で黒字転換も果たせるのでは、という雰囲気も感じられた。実際不二家側でも子年度の通期営業損益を当初10億円の黒字と見込んでいる。

このままチョコレートなどが大きく売り上げを伸ばすバレンタインデー商戦を乗り切れば、計画の10億円の黒字は難しいかもしれないが黒字転換の可能性はあったように見受けられる。しかし不祥事の発覚以降は各種菓子や飲料の生産・販売がほとんどできない状況におちいったため、営業・経常利益の赤字幅はさらに拡大するのは確実とみられる。

リリースでも今期の残り3か月(2007年1月から3月)については、不祥事による売り上げ激減に加えて、「棚卸資産関係の除去損、フランチャイズチェーン店への休業補償」「店舗関係の閉鎖費用」などの特別損失、さらに「固定資産関係の売却に伴う特別利益の発生」などで大きく変動する見込みであり、通期業績については現時点ではコメントできないとしている。

【不二家(2211)、山崎製パン(2212)から食品衛生管理体制整備の面で支援受託を発表・資本提携は引き続き検討中】にもあるように【山崎製パン(2212)】からの技術協力ルートを確保した不二家が、これからどのような形で再生を果たしていくことになるのか、注目したいところではある。とはいえこれまで単独で行ってきた経営改革が、実のところ今回の不祥事につながったかもしれないことを考えると、事実上「経営改革は一からやり直し」になることも考えられる。数か月ではなく数年単位での変革が求められるし、そうでなければ黒字転換もかなわないだろう。

■関連記事:
【不二家の洋菓子販売、2月中再開の可能性】


(最終更新:2013/08/23)

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