NHK、経営委員長・会長共に「受信料値下げ難しい」。菅総務相は「やるべきことをやれ」

2007年01月17日 21:15

時節イメージ【NHK受信料を2割値下げした上で2008年度から義務化へ・菅義偉総務相】でお伝えしたように菅義偉総務相の発言をきっかけに始まった、【総務省】とNHKとの間の「受信料値下げ」&「受信料支払い義務化」に関する駆け引きだが、今日NHKから総務省に2007年度予算・事業計画案が提出された際にもキャッチボールどころか意見のぶつけ合いが行われた。どちらも一歩も引く気はない模様。

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NHKは本日1月17日、2007年度予算・事業計画案を提出。予算は6348億円で受信料は2006年度より190億円回復すると見込んでいる。一方支出では日本国内向けの放送経費を5.3%増やしてサービス充実を図る一方、受信料の徴収経費や人件費を減らし6307億円とした。差し引きの41億円は借金返済に充てる。

事業計画の概要は次の通り。

・総合テレビは夜10時台の番組編成を「団塊の世代」を中心に幅広い世代向けとする
・教育テレビは土曜日に子どもや青少年を対象とした新たな番組を始める
・3つの衛星放送では4月からはネットを利用してワールドワイドな情報提供を行う
・災害・緊急報道の強化に努める
・4月の統一地方選挙や夏の参議院選挙の開票速報などに万全を期す
・国際放送では日本とアジア各地の情報をより積極的に発信していく
・インターネットによる情報発信をさらに充実
・営業活動の効率化に努める
・未払いへの支払い請求を強化する
・2007年度だけで395人の職員を削減する


一方、NHK経営委員会の石原邦夫委員長は1月17日の記者会見で受信料値下げ問題について「なかなか大変だ」「2割に相当する1200億円の原資が分からない。支払いを義務化してもすぐに受信料収入がアップするわけではない」とコメントし、否定的な見解を示した。

また、橋本元一会長は「受信料そのものについてどうあるのか、どうできるのかといういうことは、放送の充実とか色々な状況があるので、そういう中でしっかりと見極めた上でお答えせざるを得ない」とし、一言でなら「イヤです」と要約できるように否定的な発言を行った。

これに対し菅総務相は「今しっかりと納めている方に対して、きちんと説明できる態勢が必要だ。平等感とかNHKの果たす役割は大事なのでしっかりやってほしい」と答え、こちらも一言でなら「やることやってから反論しろ」と要約できるよう、NHKの姿勢を批判した。

これまでの直近の流れをまとめると、

「2割値下げで2008年度から受信料支払い義務化」(1月11日、菅総務相)
 ↓
「もう限界だから受信料値下げは無理」(1月12日、NHK会長)
 ↓
「合理化すれば値下げは可能」(1月16日、総務次官)
 ↓
「今の受信料のままでは国民が許さない」(1月17日、菅総務相)
 ↓
「支払いを義務化しても受信料がすぐに増えるわけではない」(1月17日、NHK経営委員長)
「状況を見極めたうえでお答えせざるを得ない」(1月17日、NHK橋本会長)
 ↓
「きちんと説明できる態勢作りをしろ」(1月17日、菅総務相)←今ここ


という形になる。特に今日はNHKから総務省に対して事業計画書が提出された関係で、短時間に相次いで相手への「牽制球」が投げられたようだ。

法的に受信料を義務化したのなら国の指導には従う必要があるだろうし、そうでないのならさらなる自浄努力が必要。受信料義務化には首を縦に振らず、その一方で国の言うことは聞かないというのは、ムシが良すぎるような気もするのだが、どうだろうか。

(最終更新:2013/08/23)

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