Wiiの計画上積み、「一人一台」を目指す

2006年12月08日 06:30

Wiiイメージ【「Wiiでゲーム人口が増える」と岩田社長コメント・Wiiがオーストラリアやヨーロッパでも相次いで発売】で報じた、12月7日に[任天堂(7974)]の岩田聡社長による外国特派員協会での講演の詳細が【ブルームバーグ】に掲載された。それによるとWiiの今後の出荷計画について上積みするチャンスが出てきたとし、今後さらに生産計画を上方修正する可能性を示唆した。

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記事によると岩田社長はWiiについて、日本国内でもほぼ完売するという売行きを見定め、出荷計画を上積みするチャンスが出てきたとした上で、現時点でのコメントは差し控えるとし、年末商戦の結果を見て判断する意向を示した。現在の出荷計画は全世界で年内400万台、2007年3月末までで600万台としている。すでに先の記事にもあるように、アメリカでは発売後8日で60万台、日本では2日で40万台がほぼ完売し、この状況について「出足は非常に順調」と満足げなコメントをしている。その上で「もっと大切なのは、この勢いを続けることだ」とし、「一家に一台から、一人に一台を目指したい」とし、専業主婦などこれまでゲームになじみの薄かった人もターゲットにする考えを示した。

一家に一台から
一人に一台を目指したい
(Wiiの普及について)
……任天堂・岩田聡社長

岩田社長はWiiの開発経緯についても語り、その理由として「ビデオゲーム市場の先行きへの危機感」があったこと、具体的には「1997年から2003年にかけ、日本のビデオゲーム市場は、コンスタントに落ち込み続けていた」ことを明らかにした。その上で任天堂としては基本戦略として「ゲーム人口の増加」が必要であると再認識し、「豪華な映像表現を持つゲームが広く受け入れられなくなった中、世代や性別、ゲームの経験を問わない機械が必要と考え」、携帯ゲーム機DSを市場に投入。

そのコンセプトに従い今回Wiiを発売したということで、「Wii」は任天堂の「ゲーム人口増加計画」における「セカンドステージ」の主役であるとの認識を示した。またその中で、DSの日本国内販売累計台数が年内には1400万台に達するであろうこと、「こんなに短期間で1000万台の販売を達成した日本のゲーム会社はなかった」と、戦略が成功裏に進展しつつあることを述べた。

ゲーム業界内部でよく語られている、SCEIの新世代ゲーム機「プレイステーション3(PS3)」との比較については「PS3と競争しているとはあまり思っていない。むしろ、ゲーム人口増のため、どうしたら利用者が向いてくれるか考えている」と語っている。この言及については正直どのように解釈すればよいのか難しいところではある。

最後に【Wiiの「リモコンミサイル」、家電や壁を撃破中!?】でも報じている、Wiiのコントローラーに関する問題についても触れ、岩田社長は「商品を出す前にテストはしているが、われわれの想像を超えて、利用者がエキサイトして遊んでいる可能性がある」とコメント。実態調査に任天堂側も本腰を入れていることを明らかにした。

任天堂の自信のほどがうかがえた、今回の岩田社長の講演だが、年末商戦を終えたころにはその言葉の裏づけとなるデータが次々と明らかになることだろう。その際の感想を改めて聞いてみたいものである。


(最終更新:2013/09/15)

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