英フィナンシャルタイムズ、SCEIの人事刷新を「ソニーが家庭用ゲーム機ハードから撤退する前兆との見方」と報ず

2006年12月02日 09:30

ゲームイメージ先日【SCEI、役員人事を刷新・久夛良木氏はCEO兼会長に】でも報じたように【ソニー(6758)】のグループ企業であるソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI、SCEJ)が大規模な人事刷新を行ったが、これに伴いイギリスの有力金融誌フィナンシャルタイムズ誌は12月1日、この人事刷新が「ソニーがビデオゲームのハードウェア製造から撤退する前兆との見方も浮上」と報じた。

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これはフィナンシャルタイムズ誌の記事を翻訳した各誌が報じたもので、この報を元に「ソニー(SCEI)はもうゲーム機ハードを作らない?」「プレステ3が最後でハードからは撤退する!?」という噂がちまたにあふれかえっている。先日プレイステーション3が発売されたばかりであるのに、聞き捨てならない内容だ、といぶかしがる人も。

フィナンシャルタイムズ誌では久多良木健社長が社長から会長に昇格したものの、現場の最前線からは離れるという見方もでき、日々の業務運営からは一歩離れた立場になる。そのため、この人事が「家庭用ゲーム機ハードウェア部門があまりにも採算が取れないため、ソニーにおけるゲーム機関連のグループ会社であるSCEIの現状を引っ張る久多良木氏の影響力を低め、方針転換を行うための布石ではないか。だとすればこれは、ソニーがゲーム機のハード製造から撤退する可能性を考えていると見てもよいのではないか」と解釈したようだ。

つまり、人事刷新は事実であるものの、「ソニーが家庭用ゲーム機のハードウェア製造から撤退する」という話は、「前兆」の「見方」が「浮上してきた」という、書き手側の推論に過ぎない。内容がかなりショッキングなもののため、それがそのまま、「ソニーが家庭用ゲーム機ハードはもう作らない!?」にイコールのような形で伝えられることとなったようだ。

【原文のフィナンシャルタイムズ誌】の該当文章をチェックしても、

The management reshuffle could foreshadow Sony's exit from video games hardware.
(今回の人事刷新はテレビゲームハードウェアからソニーが離脱することを予兆しているのかもしれません)


と記載されているだけであり、あくまでも記事執筆者の一意見としか語られていない。権威ある専門誌での言及なだけに、大げさに広まったものと思われる。

確かに社長から会長への人事異動は昇格には違いないが、通常の会社の場合には実行部隊からの離脱というとらえ方になる。その意味では推測も「ひとつの可能性」として考えられる。しかし企業によっては会長が社長以上に辣腕をふるい、会社を指揮するところもあり、いくつもの解釈が出来る。

ともあれ、プレイステーション3が出たばかりには違いないのだから、今からその後継機種について気をもむのもどうだろうか、というのが正しいとらえかただろう。

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