「バーチャル世界の悪影響」から子供たちを守れ、警察庁研究会報告書まとまる

2006年12月26日 09:30

時節イメージ大学教授や弁護士などで構成される【警察庁】の研究会バーチャル社会のもたらす弊害から子供を守る研究会は12月25日、最終報告書をまとめた。テレビゲームや携帯電話のサイトなど「バーチャルな世界」で氾濫する暴力や性の情報が子供の行動に深刻な影響を与えているとして、学校や家庭での使い方のルールづくりや業界の取り組みの徹底をもとめる内容になっている(【バーチャル社会のもたらす弊害から子どもを守るために 最終報告書(PDF)】)。

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この報告書では、携帯電話・ゲーム・コミックが子どもに与える影響や対策がまとめられている。簡単にそれぞれの項目についての現状分析概要をまとめてみると次の通りとなる。

・携帯電話
出会い系サイトを通じて子どもが性犯罪に巻き込まれる被害が深刻。さらにメールや掲示板の書き込みを通じ、子供同士のいじめにも使われる。
・テレビゲーム
映像技術の高度化でリアリティが増したため、暴力的シーンが子どもに攻撃的な行動をうながす恐れがある。ゲームをきっかけとした事件もおきている。
・コミック
子どもを性の大勝とするわいせつな場面が描かれている本がネット上などで公然と販売されている。これらのコミックに影響されたと指摘される性犯罪も起きている。


これらの調査結果を元に報告書では、バーチャルな世界がもたらす弊害から子どもを守るため、家庭や学校でのこれら媒体の使い方のルールづくりや、それぞれの業界の自主審査などの取り組みの徹底をもとめている。

携帯電話では有害サイトへのアクセスについて子どもがそれを出来ない機能の普及が進んでいる(【参考:「出会い系サイト」など子どもへ悪影響を及ぼす携帯サイトに対し、警視庁研究会が規制強化を求める】)。ゲーム業界でも内容により販売対象を分ける制度が導入されている(【参考:CESA、18歳未満への販売「自粛」対象ことZ区分タイトルを発表】【CESA、ゲームのレーティング制度の変更を発表。18歳以上向けタイトルを対象年令外へは「販売禁止」へ】)。しかしコミックの中には自主審査を経ずして制作しているものも多く、携帯やゲーム業界の対応にも課題があると報告書ではまとめている。

同研究会座長の前田雅英氏「これらのメディアがもたらしている危険性についての認識が社会全体で十分に共有されているというところに至っていなかった。バーチャル社会の弊害からいかに子どもたちを守るかという目的からさまざまな立場から(この報告書を)活用していただければ」とコメントしている。

報告書の中身は精査する必要を感じさせるほど、興味深いものとなっている。折を見てあらためて内容を確認してまとめてみることにしよう。

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