「巨大な鏡で日陰を照らすプロジェクト」後日談・日本にも類似事例がありました

2006年12月23日 18:30

日光イメージ先に【巨大な鏡で太陽の恵みを・北イタリアの日陰な村に太陽光を送るプロジェクトが成功】でお伝えした北イタリア・ビガネッラ村における「巨大な鏡で日光を反射させて村の日陰に日を照らそうプロジェクト」だが、記事にも触れたように日本のメディアも取材に来ていたようで、早速いくつかのテレビニュースで詳細が語られていた。その中である放送局が、類似例として日本でも鏡を使った日光掃射大作戦が行われていたことを報じていた。それを元にここでは先の記事のフォローとして、日本国内の事例を紹介することにしよう。

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事例として挙げられていたのは東京千代田区にある【麹町小学校】。公式サイトのトップページに鏡貼りの校舎があるがこの鏡ではなく、屋上部分に設けられている鏡が対象。この鏡が日光を反射し、グランドの日陰の部分に陽だまりができるような仕組みになっている。この鏡、先のビガネッラ村のシステム同様に太陽の動きに連動して、常に決められた場所が明るくなるように工夫されているそうな。

「大型太陽光採光装置」
麹町小学校の
大型太陽光採光装置

麹町小学校では他にも、学校の新聞に「ひかり」と名づけたり「さんさんホール」「光のトンネル」「光の輪」などさまざまな光・日光と関係する施設が設けられており、日光に対するこだわりが見て取れる。またこの鏡は千代田区の「学校活性化支援事業」の対象でもあり、【2003年の事業一覧】にも一番上にその名前を見ることができる。いわく「エネルギー環境教育:太陽光発電や反射鏡を活用した温度・照度観測、あるいは風力・人力による発電を体験的に学び、自然のエネルギーを改めて見直し、石油・原子力の節約を図るエネルギー環境教育を計画的に推進し、エネルギー消費を子ども自らが抑えていく意識を育てる」とのこと。

なおこの施設、設計・建設に携わったのは【三井造船(7003)】【リリース】によると施設の正式名は「大型太陽光採光装置」とのこと。大きさは3.5メートル×2.5メートルで、50センチ四方の凸型の鏡35枚で形成されている。各個の鏡が太陽光を100倍ほどの面積に拡大・照射し、約35平方メートルの範囲を照らし出すとのこと。ちなみに2台で明るさは太陽光の半分ほどにもなるという。

学校関係者は「マンションが建つことで日陰になるから、校庭などが暗くなってしまう。それを防ぐために新しくとりつけたらいいのではないか」とコメントしていた。また三井造船の担当者はこの「大型太陽光採光装置」について、「ここニ、三年の間、急速にニーズが増えている。太陽光を恵まれない人たちに当ててあげるのは意味のある事業だ」と述べていた。

元々資源が少なく、やりくりを必要不可欠とする日本では、このような技術こそもっと注力すべきなのだろう。一見漫画風な発想ではあるものの、今回の「大型太陽光採光装置」のようにその技術が実現化され、実際に役立つことになれば、それは単なる「漫画」話ではなく、「リアル」なものとなる。世のため人のためになる話なら、どんな「漫画風な発想」でも大歓迎。また人の夢や希望を描く「漫画」だからこそ、現実のものとしようと努力が続けられるのかもしれない。

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