水産業界再編開始、トップのマルハ(1334)と三位のニチロ(1331)が経営統合へ

2006年12月12日 07:00

株式イメージ水産業界最大手の【マルハ(1334)】と第三位の【ニチロ(1331)】は12月11日、それぞれの取締役会において両社が経営統合する方針を了承し、これを正式に発表した(発表リリース)。この経営統合により売上高は1兆円に迫ることとなり、水産業界では最大手であるのはもちろん、食品会社としてもトップ5に入る日本国内有数の会社が誕生することになった。

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リリースなどによると両社は来年10月に「マルハニチロホールディングス」という名前の持ち株会社を設立して経営を統合、傘下に水産業や食品などの事業会社を持つ新しい企業グループを形成することになる。存続会社はマルハ。ニチロは2007年9月末までに上場廃止の予定。株式の交換比率は今後決定されることになる。また、この経営統合で出来る持ち株会社は、食品業界でも五本の指に入る大規模なものとなる。

両社はこの発表に伴い記者会見を行い、

●マルハグループ・五十嵐勇二社長
「日本も少子高齢化、人口減少で、食品市場が飽和状態の中、統合によって事業拡大を手っ取り早くできるメリットがある。また、海外からの水産物の調達力は、ニチロとの統合によってさらに強くなる」

●ニチロ・田中龍彦社長は、「今の企業の規模では、グローバルな点で、盤石な体制を築けるか懸念があった。今回の経営統合によって、技術力や開発力で、相互補完できる強い企業体を作ることができる」


などとコメントしている。

ある業界内の大手同士が今後を見据えて大規模な合併を行う、俗に言う「業界再編」では、先の【製紙業界】の話や【人材派遣会社】の話が記憶に新しい。それらの多くは「大手にかなわない中小企業が手をたずさえて」という形ではなく、大手、時にはトップですら再編の一員となるようなパターン。それだけ多くの企業が、自分が置かれている業界の先行きを真剣に考えていたり、あるいは外資などによる買収と部門ごとに分散させられての売却や解散に脅威を覚えているということなのだろう。

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