今や累計セールス50万本を超え、あのNHKでも(商品名こそ語られなかったが)ニュースとして取り上げられるまでにメジャー化した『しゃべるDSお料理ナビ』に続く立場の、任天堂が送る「料理サポートソフト」の『健康応援レシピ1000 DS献立全集』。『しゃべるDSお料理ナビ』が初心者向けソフトとして「誰でも気軽にお料理を」というコピーが似合いそうなタイトルなのに対し、『健康応援レシピ1000 DS献立全集』は実践向きなソフトとしての意味合いが強い。アマゾンの説明でも「主婦の悩みの種である日々の献立作りをサポート」と説明されている。料理を常日頃手がけている人向けの、本格的な「頼れる奴」ということになるのだろう。

しかも『しゃべるDSお料理ナビ』の取り扱う料理の範囲が「広く浅く」だったのに対し、『健康応援レシピ1000 DS献立全集』は「健康」という言葉がついていることからも分かるように、健康管理に注意したレシピが準備されている。説明によれば、【オレンジページ】の栄養管理士中沢るみ氏による監修によるもので、タイトル通りレシピの種類は1000。『しゃべるDSお料理ナビ』が200だったことを考えると、その5倍に相当する。

レシピはジャンルでの検索が可能で、和食だけでも400種類が用意されている。他に洋食・中華も200種類以上。複数のメニューを組み合わせて食事を作ることを考えると、そのパターンは「一生かけても食べきれない」ほどになるかもしれない。

また、時間が無い主婦には日常茶飯事的な、料理を同時進行で作ることにも対応している。具体的には主菜と副菜、汁物の3品の料理を同時に進行することが可能となっている。独り者で時間をあまり気にしなかったり単品料理でOKな人はともかく、家族のために料理を作る人には物足りなかったシングルタスクの『しゃべるDSお料理ナビ』の弱点も、『健康応援レシピ1000 DS献立全集』で解消されることになる。

さらにジャンルでの検索だけでなく、気になる健康状態を入力し、それに対応したレシピを引き出せるのも『健康応援レシピ1000 DS献立全集』の特徴。「血圧が高いと主治医にいわれてたし……」「メタボリックシンドロームが気になるお腹なんだけどな」という時に、その条件を入力すれば、健康状態にマッチしたレシピを提案してくれる。単純に「これはどうですか」という提示だけでなく、カロリーや栄養バランスを映し出してくれるのがありがたい。

他にも紙媒体のレシピ本には無い機能もポイント。DSならではの機能としてWi-Fiを使って登録メールアドレスに料理の写真付でメールを送ったり(携帯にも可能のようだ)、カレンダー機能を用いて最大一週間の献立作りをし、必要な食材の一覧を表示できる。先の特集にあった「野菜が長持ちする冷蔵庫」があれば、一週間分の食材を監理した上でまとめて購入する、ということもできそう(なにしろDSに登録すればスーパーなどのお店まで持ち歩くことができるのだ)。

もちろん『健康応援レシピ1000 DS献立全集』でも音声認識による入力も可能。両手が料理の道具で埋まっていても、「ページをめくる」ことができるわけだ。

いわば「料理初心者は『ナビ』、料理"人"は『レシピ』を」という観点で、DSを料理サポート端末たらしめようという任天堂の戦略(?)と見て取れよう。「大人から子どもまで、オールラウンドな層に受け入れられる環境を提供する」という、昔からの任天堂の基本戦略はこの料理サポートソフトシリーズでも受け継がれていることになる。

なお『レシピ』の発売とほぼ同時期に、任天堂からDSを固定する『ニンテンドーDSシリーズ専用 マグネットスタンド』も発売される。こちらは以前【『しゃべる! DSお料理ナビ』で大活躍するアイテム「プレイスタンド」登場】で紹介したスタンドと違い、磁石が内蔵されているので、冷蔵庫などの金属部分に固定することもできる。いわく「台所の省スペースに活用できる」とのこと。

発売が年末ということもあるので、クリスマスプレゼントあたりに料理好きな人にマグネットスタンドとあわせて、料理が苦手な人には『ナビ』とセットで贈ると気が利いたモノになるかもしれない。

(最終更新:2013/09/15)