「法テラス」への問い合わせ、開始一か月で3万2760件

2006年11月03日 07:30

「法テラス」イメージ先に【法律コールセンター、実始動の10月2日に先がけ試験運用開始】でもお伝えした、法律に関わるトラブルについて相談先となる専門の弁護士や解決に役立つ法律・制度を電話で紹介する日本司法支援センター「法テラス」は11月2日、開業1か月間の問い合わせ件数などを発表した(【週報発表ページ】)。それによると一か月間での問い合わせ件数は3万2760件にのぼることが明らかになった。

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日本司法支援センター「法テラス」は総合法律支援法の一部の施行期日を定める政令が、7月28日に公布されたのに伴い開設されたもので、今回のコールセンター「法テラス」の運営もその主幹業務の一つ。法律にかかわるトラブルについて全国からの問合せに電話で応じる組織としては日本初のもの。9月から試験運用が行われ、10月2日から正式にスタートしていた。

コールセンターでは全国の地域ごとに、相談者が抱えているトラブルに応じて専門の弁護士や司法書士を紹介したり、金銭トラブルの解決に役立つ少額訴訟制度や、遺産相続をする際の手続きなどそれぞれの問題に応じた法律や制度も紹介することになっている。要は「法律の専門家や仕組みを紹介する、法律総合案内窓口」といったところ。

問い合わせ内容でもっとも多かったのは、多重債務の整理など「金銭の借り入れ」、ついで「男女・夫婦」「相続・遺言」「金銭の貸し付け」と続いている。具体的な内容としては、「法定相続人」「相続放棄」「法律扶助制度」など、特定の法的用件・用語の内容への質問が多いのが目立つ。

またその一方、「多重債務の整理をしたい」「貸しているお金を返済してもらえない」など、具体的な事象による問題が発生しており、それへの対処に困っているという「法テラス」の設立主旨にマッチした、まさにうってつけの内容も多い。中には同一週で

「家賃が不払いなので契約を解除したい」
「家賃を払い忘れたため、貸主から部屋の明け渡しを請求された」


という、当事者同士が別々に相談をしたのではないかと思われるような問い合わせ内容も見かけられる。

「モチはモチ屋」ではないが、世の中に山ほど存在する専門家たちに任せた方がはるかにスマートに解決できる悩み事は多い。その一方で「法律のことなら全部弁護士」と考えがちだが、実はそうとは限らない。キャッチコピー「法テラス 迷うあなたの 道しるべ」にもあるように、使い方次第では非常に頼れる存在になる、適切な専門家を紹介する「専門家」たる「法テラス」。もう少し積極的に告知をしても良いのではないかと思われるがどうだろうか。

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