「バイオエタノールをガソリンの1割に」政府新目標設定

2006年11月02日 08:30

石油精製工場イメージ[このページ(nhk.or.jp)は掲載が終了しています]が報じたところによると、政府は新しいエネルギーとして注目されている「バイオエタノール」の生産について、ガソリンの年間消費量の10%にあたる600万キロリットルにまで高める新たな目標を設けることを決定、その実現に向けて検討を進めることになった。

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「バイオエタノール」は主にサトウキビや小麦、雑草や廃材など有機物を原料にしたアルコールの一種で、現在の制度ではガソリンに3%まで混ぜて自動車などの燃料に使うことができる。日本国内でも原材料を容易に取得できることなどから、新しいエネルギー源として注目を集めている。

これについて11月1日、安倍総理大臣と松岡農林水産大臣が会談し、政府としてもバイオエタノールの本格的な導入を後押しする必要があるとした上で「現在のガソリンの年間消費量の10%に相当する600万キロリットルを国内で生産する」という新しい目標を設けることになった。

今までに何度となく報じているが、バイオエタノールはアメリカやブラジルでは商業ベースで生産が進み、消費も行われている。一方、日本では北海道や沖縄県などで実験段階のさなかにあり、わずか30キロリットルしか生産されていない。このため政府では、「全国の耕作放棄地でバイオエタノールの原料となる作物を栽培する」ことや「新たに木材や稲わらなどを原料にできるよう技術的な研究などを進めること」としている。

バイオエタノールについては原油価格の高騰や、資源調達先の政情問題などからのリスク分散の意味からも注目されている。今回の決定は、研究開発を進めている各社にとって心強い援護射撃となるだろう。一方、【経済産業省】と石油元売業者で別々のタイプのバイオエタノールを精製するなど、さまざまな思惑が絡み合い、非合理的な動きをしているところが各所に見られるのも否定できない。

関係各社においては一刻も早い効率的な方法論のまとめ上げと開発、普及のための活動が必要になることだろう。


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(最終更新:2013/08/25)

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