ホンダ(7267)、雑草を材料にバイオエタノールを製造する新技術を開発

2006年09月15日 08:00

石油精製工場イメージ[ホンダ(7267)]は9月14日、【地球環境産業技術研究機構(RITE)】と共同で、植物由来の再生可能資源であるソフトバイオマス(生物由来の再生可能な有機物資源)からエタノールを製造する技術を開発したと発表した(【発表リリース】)。バイオエタノールの原材料としては現在サトウキビやトウモロコシ、廃材などが用いられているが、今回の技術を使えば雑草でも原材料になるという画期的なもの。

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バイオエタノールは燃焼時に放出される二酸化炭素が、元々植物が光合成で取り入れたものであって、大気中の二酸化炭素の総量には影響を与えないことから、環境保全向きの燃料として注目を集めている。その一方、現在のバイオエタノール製造技術では食用となるトウモロコシなどを原材料としているため、供給量に限りがあると共に「食品を燃料に置換する」ことへの抵抗感もある。

今回開発された技術はRITE菌と命名した特殊な微生物を用いて植物内のセルロース(植物繊維)と反応させ、バイオエタノールを作るというもの。この技術を用いれば、植物の食べられない部分(茎や葉っぱ)に含まれているセルロース類からアルコールを製造できるようになるため、大きな期待が寄せられている。つまり、雑草からでも安価にバイオエタノールが作れることになる。

今回の技術確立により、ホンダでは「ソストバイオマスからのエタノール製造に関して、基礎的な課題がすべて解決した」とし、今後は、工業化に向けて研究を進めると共に、すべての行程をひとつのプラント内で連携させるシステムの開発に取り組むとしている。そしてこの連携システム内でさらに「エネルギーリサイクル」(工程内でのエネルギー再利用による省エネ化)による省エネルギー化と低コスト化を図ると述べている。

戦前の一時期、石油不足から「まき」などの木炭を燃料として走る「木炭自動車」が存在していた。効率は今ひとつで戦後普及することは無かったが、石油不足を乗り切るという知恵は引き継がれた。今回開発された技術が普及すれば、(バイオエタノールへの変換技術が小型化されることにより)将来道端にある雑草をむしりとってタンクに入れ、燃料代わりに出来る自動車などというものも登場するかもしれない。それは難しいとしても、ガソリンスタンドの職員が積極的に雑草狩りをする姿が見受けられたり、雑草を山盛り搭載したトラックが精製工場に乗り付ける姿も見られるようになる……と面白いのだが。

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