【更新】新日本石油とトヨタ、ヤシの実から出来るパーム油燃料の開発に着手

2006年10月24日 06:30

ヤシの実イメージ[YOMIURI ONLINE]によると[トヨタ自動車(7203)]と【新日本石油(5001)】は、マレーシアの国営石油会社【ペトロナス(PETRONAS)】と共同で、ヤシの実から採れるパーム油を原料にした自動車用ディーゼル燃料の開発に乗り出すという。原油価格の高騰や周辺諸国との資源競争の激化に伴い新たなエネルギー源の確保が重要課題とされているエネルギー状況における、代替エネルギーのひとつとして注目を集めている。

スポンサードリンク

現在両社から正式リリースが発表されていないので詳細は不明だが、すでに当方サイトで7月に【トヨタ(7203)と新日本石油(5001)、2009年からバイオ燃料を開発、生産開始】で報じたように、プロジェクトは着々と進展している模様。元記事によれば今研究プロジェクトは5月に来日したマレーシアのアブドラ首相が、小泉前首相に日本とバイオ燃料技術での関係強化を求めたことをきっかけに生まれたものだという。

ヤシの実から採れるパーム油は一般に食用のものとして名を知られており、マーガリンやお菓子などの原料として使われる。自動車用燃料に転用するのは世界でもはじめてであり、世界最大のパーム油生産国のマレーシアと日本の石油会社・自動車メーカーの共同開発は、大きな成果をあげることが期待できる。

共同研究ではペトロナスが提供するパーム油を原料に、新日石がパーム油をディーゼル燃料となる軽油に転換する精製技術を、トヨタが自動車用燃料として使う場合の安全性や性能の検証をそれぞれ担当するなど、三社の得意分野をそれぞれ活かしてパーム油燃料の実用化に向けて歩みを進めることになる。

ちなみにパーム油は世界で3300万トン生産され(2005年度)、マレーシアとインドネシアがその8割を占めている。新日本石油ではパーム油から軽油を精製し日本国内に供給するだけでなく、輸出をも視野に入れているという。

植物を用いたバイオ燃料の開発としては、サトウキビやトウモロコシ、廃材などさまざまな原料による燃料化が推し進められている。昨今の原油高でこれら代替燃料の生産コストが相対的に安価となり「割に合う」ようになったこと、そして何よりも燃料調達という意味でのリスク分散という観点から、今後ますます注力されることになるだろう。

先の報道では2009年から生産を開始できるとの話。それまでの進捗に注目したいところだ。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ