アンケートの結果と調査対象の話

2006年10月16日 06:30

先日、アンケートの結果内容と調査対象について、少々考えさせられるような記事の掲載、言及が相次いだ。そこでここでそれらをピックアップし、少々まとめてみることにする。統計学上ある一定の集計数(母体数)が無いとアンケートの結果として有効性を持たないという当たり前のことはのぞいて、の話だ。

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結論から先に述べると、

「ネットでのアンケート結果は『インターネットを利用している』一部の母体から得た調査結果であり、世間全体からの調査結果では無いことに注意しなければならない。ケータイでのアンケートならさらに調査対象は狭まることになる」


ということ。「世間の常識・非常識」ではないが、限定された対象における調査は時として結果を恣意的なもの、世間一般とはずれを生じる結果を生み出すことに注意する必要がある。さらに簡単に表現すれば「世間の人すべてがインターネットでアンケートに答えている、ケータイを利用していると思うな」ということ。

【ロイター】によると10月12日、エジプトの政府機関の世論調査においてアンケートの対象となった61%が「世論調査が何であるかを知らなかった」と回答したという、奇妙な結果が出たとの報がなされた。エジプトでは世論調査という考え方そのものが目新しいものであるというせいもあるが、調査そのものが半数以上の人が知らない以上、何か妖しげな勧誘かあるいは政府機関の取調べと勘違いする可能性も高く、まともな結果が出てくるとは思いにくい(調査と知らない以上、純粋な回答が出る場合もあるが)。

またこれと前後し、当方でも【「おサイフケータイ」、知られているけど利用者は7.1%に過ぎないとの調査結果】の記事を掲載した際に、元記事の言及「7.1%という数字を一般化するのではなく、『特殊な環境下における調査結果であって、世間一般ではもっと低い値になるだろう』と結論付けている」という、他のアンケート分析記事には無い記述に感心したということを述べた。これも「対象が限定されているのだから本当の世間一般とはズレが生じるんだろうな」という当方の考えを代弁したものとして、気になっていたことではある。

さらにこの記事をピックアップした【読みゲー】で「アンケート対象がネットユーザーか……」という言及を見るに及び、「やはりアンケートをどこから採ったのかは、結果から色々と分析する際に十分考査すべき要因なのだな」と確信した次第。

最近その気軽さと汎用さから、インターネットやケータイでのアンケート集計が大いに用いられるようになった。その事自体は素晴らしいことだし、マーケットリサーチをして慎重に物事を決めるという行為はほめられるべきだ。とはいえ、あくまでもそれらに頼りすぎると、「本当の世間一般のニーズや考え」とのずれに頭をかかえるかもしれない。

当サイトが今試験的にトップページ上部に導入しているアンケートも、「自腹でひとつだけ」と他のアンケートサイトが行っている条件よりも表記を明確化している。通常の大手サイトにあるような「どれを選ぶか」だけだと、「自分で買うのか誰からかもらうのか、それとも単に金銭云々でなく単純にどれかひとつを選ぶのならなのか」が分からないからだ。さらに導き出される結果も「ネットユーザー、かつどちらかというと株式投資系の情報を求める傾向が強い人」という母体から取得したものという但し書きが必要となる。

もちろんケータイやインターネット上のアンケート内容を否定しているわけではない。しかしアンケート結果を見る時は、母体数はもちろんだが、どういった手段でアンケートを行ったのか、調査対象や手法も見た上で分析内容を読み解く必要があるだろう。

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