「永久不滅.com」は永久に不滅なサービスとなるのか? 「永久不滅.com」のサイトオープン

2006年10月17日 12:30

永久不滅.comイメージ先に【クレディセゾン(8253)が電子モール「永久不滅.com」を開店、楽天市場・ヤフーショッピングに続く勢力となるか?】で報じた、【クレディセゾン(8253)】によるインターネット上の仮想商店街(電子モール)永久不滅.comが報道どおり10月16日にオープンした。いまだにIR部門からのオープンに関するリリースは発せられていないが、実際にサイトを閲覧して分かったことなどをいくつかまとめてみることにする。

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「永久不滅.com」のサービスに関するキャッチコピーは次の通り。

「効率よくポイントを貯めるならインターネットでショッピング」
「Netアンサー会員限定 オンラインショッピングモール」
「使って便利、ポイントも貯まってお得」


また、報道の通り最大19倍の「永久不滅ポイント」がプレゼントされることも語られている。

専用サイトのドメイン「http://www.a-q-f.com/」(えーきゅーふ めつ……永久不滅)もなかなか考えられたもので感心することしきりだが、サイトの中身はいたってシンプルな創りとなっている。奇をてらって使いにくいサービスを提供するよりは、見栄えが派手でなくとも使いやすく分かりやすいものを、との思惑が見て取れる。

永久不滅.comトップページ
永久不滅.comトップページ

トップページは各電子商店のジャンル別項目が掲載され、好みのジャンルを選ぶとそれに対応したショップの一覧が概要と共に表示。利用者は好きな店舗で買い物をすることになる。しかしオープン直後ということもあり、出店店舗もそれほど多くは無く、どこにでもあるような商品・商店ばかりで「永久不滅.comならでは」のものは見受けることができなかった。なお誰でもショップの概要や説明までは閲覧できるが、実際に各店舗で販売している商品画面は会員でないと閲覧できないようだ。

スイーツカテゴリ一覧。あの防犯会社のセコムが送る「セコムの食」というのもあり、興味が沸いてくる。
スイーツカテゴリ一覧。あの防犯会社のセコムが送る「セコムの食」というのもあり、興味が沸いてくる

さて説明によると、この「永久不滅.com(エイキュウフメツ ドットコム)」は、セゾンカードの「永久不滅ポイント」をお得にためるためのサイトという位置づけがなされている。つまり、単独での「電子モールでの買い物を楽しむ便利サイト」というよりは、「セゾンカードで買い物をするのなら店舗で買うより永久不滅.comで買ったほうがポイントがたくさんたまってお得だよっ」という意味合いが強いようだ。

元々セゾンカードは2200万人もの会員数を誇り、永久不滅ポイントを活用している人も多い。その一方、セゾンカードのインターネット会員(Netアンサー)は80万人にしか過ぎない。「永久不滅.com」はインターネット会員を対象にしているため、「永久不滅.com」への利用誘引はそのままインターネット会員への勧誘にも直結する。

つまり、

・セゾンカードを使っていて永久不滅ポイントをためるのを楽しみにしてるの?

・「永久不滅.com」という電子モールなら同じ買い物でもポイントが最大19倍もたまってお得だよ!

・そのためにはネット会員になる必要があるんだ。まずは「Netアンサー」のサービスに登録してね。


という図式になる。セゾン側にはサポートと情報の把握がしやすく、また利用者には色々な恩恵が受けられる「Netアンサー」会員の増加(3年後に500万人)と、「永久不滅.com」の利用者増加の相互作用を狙った意図が見て取れよう。

ひとつ気になるのは、先の記事で競合相手としてあげた、日本国内の電子モールで先行する2社、[楽天(4755)]の楽天市場や[ヤフー(4689)]のヤフーショッピングと、「ポイント」に関して大きな違いがあるということ。競合相手の楽天市場やヤフーショッピングでは、買い物の際に獲得できるポイントは、半ば電子モール内の仮想通貨のように利用できる。商品購入の際に割引して購入できるし、ポイントが多ければそのポイントだけで買い物も可能だ。

一方「永久不滅ポイント」はあくまでも「特定サービスの授与や購入と引き換えのためのポイント」に過ぎない。電子モールがいくら充実し、そこでたくさんの買い物をしてポイントを貯めても、それらの電子モールに並べられている商品を貯まったポイントで買うことはできないのだ。

永久不滅ポイントのカタログ
永久不滅ポイントのカタログから。確かに目を見張るアイテムと交換ができるのだが……

確かに【永久不滅ポイントのカタログ】を見てみると、非常に魅力的なアイテムが豊富に用意されている。一般には購入できない、ここでしか手に入らない商品やサービスも多い。優越感に浸れることは間違いない。しかし電子モールを使うであろう多くの一般層にとって、「一般商品にも使えるポイント」と「特定商品にしか使えないポイント」のどちらを選ぶかと問われれば、大部分が前者を選ぶに違いない。

元々セゾンカードを使い永久不滅ポイントをためている人なら、スムースに「永久不滅.com」への移行誘導は可能だろう。しかし電子商取引未体験者や他のサービスを利用している人を呼び寄せて今サービスを利用させようとするのなら、ポイントの大量サービスだけではなく、何かもっと大きな魅力が必要とされるに違いない。

いくら買い物好きでも、楽天市場やヤフーショッピングを利用していて、さらに「永久不滅.com」まで使うというシチュエーションは考えにくい。「永久不滅.com」”も”、あるいは”だからこそ”使う、使いたいという状況にもっていくためには、それだけの動機付けとなるような目を見張る魅力・サービスを提供しなければならない。

当初はセゾンカード会員2200万人のバックボーンを活用し、利用客を増やすことは可能だろう。しかしいずれ「永久不滅.com」の最大の課題としてこの点が持ち上がってくるに違いない。クレディセゾンがどんな回答を出し、提案してくるのかが楽しみだ。

……まずは他の成功事例を参考にしながら、サイトの「より魅力的な」創り方からでも始めるべきだとは思うのだけど。

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