安倍晋三総理、所信表明演説でアニメなどのコンテンツについて言及

2006年09月30日 07:30

新内閣を発足させた安倍晋三首相は9月29日所信表明を行い、その中で活力に満ちたオープンな経済社会の構築を行うとし、具体的にインターネットの活用、さらには国際競争力の強化対象として食文化や伝統文化と共に、アニメや音楽などのコンテンツ事業の強化について言及した(【所信表明演説全文】)。

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インターネットやアニメに関する言及は「活力に満ちたオープンな経済社会の構築」の項目で行われたもので、具体的には

アニメや音楽などのコンテンツ、食文化や伝統文化などについて、国際競争力や世界への情報発信力を強化する「日本文化産業戦略」を策定します。


と語っている。食文化や伝統文化と並んでコンテンツ分野を日本の文化産業として列挙しただけでなく、コンテンツ分野の代表として音楽と共にアニメについて特に言及したあたり、非常に興味深いものがある。

また、インターネットについては

世界最高水準の高速インターネット基盤を戦略的にフル活用し、生産性を大幅に向上させます。


とし、現状のインターネット環境による各分野への応用・活用を推し進め、主に経済面での有効活用を促進する意図があることを表明している。

【経済産業省、「ゲーム産業戦略~ゲーム産業の発展と未来像~」を公表】などにもあるように、主に【経済産業省】などが中心となり、国際競争力が高く今後の成長にも期待ができるアニメやゲーム、音楽分野などのコンテンツ産業への注力が官公庁レベルでも推し進められようとしている。今分野は小泉前政権でも注力はされていたが、問題が解決したわけではないのが現状。

今回安倍首相の所信表明演説であらためて言及され、政府のアニメなどのコンテンツ分野への関心が引き続き高いことが確認されたことになる。今後は小泉前政権でなし得なかった、「制作現場における厳しい環境」(記事横にある「アニメがお仕事!」でも語られているような)や、作品の成果に対する利益配分の不平等さなどの問題点にメスを入れ、少しでも改善が進むよう期待したい。

幸いにも新内閣ではアニメや漫画など、「この方面」には歴代の大臣の中ではずば抜けて造詣・理解の深い「ローゼン麻生」こと麻生太郎氏が(外務大臣ではあるものの)大臣職にとどまったことも心強い。外交問題が緊迫化していなければ麻生氏には「コンテンツ特別大臣」あたりを新設し兼任してほしいくらいである。

ともあれ、かつての日本画同様にアニメや音楽、ゲームや漫画などの「コンテンツ産業」を健全に育成させ、日本を支える新たな産業として確立し、従事する人たちの多くが成果と報酬に満足できるよう、政府も手を尽くして欲しいものだ。


(最終更新:2013/09/16)

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