カルシウムの過多摂取、大腸がんのリスクを3割軽減へ

2006年09月23日 12:30

時節イメージ【NIKKEI NeT】によると牛乳や小魚、海草などに含まれるカルシウム分を毎日たくさん採ると、大腸がんになる危険性が約30%軽減されることが、九州大学の古野純典教授と【国立国際医療センター研究所】の溝上哲也部長らの疫学調査で明らかになった。9月28日から神奈川県横浜市で開かれる【日本癌学会】で発表されるという。

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大腸がんは【こちらの解説ページ(GarbageYuken.com)】にもあるように欧米型の食生活に起因するところが大きいとされており、日本国内でも患者数が急増している。現在、毎年9万人ほどが発病し、約4万人が死にいたるという死亡率の高いがんでもある。がんの部位別死亡率では女性でトップ、男性で第4位と深刻な部類に入るが、これまで明確な予防効果が確認された食物は無かった。

調査は2000年から2003年にかけて福岡市などの8病院に入院中の大腸がん患者840人、それと同地域で暮らす健康な住民833人を対象に実施。普段摂取している食品の種類と量を聞き取り、カルシウムやそのほかの栄養素の摂取量と大腸がんとの関係を調べた。その結果、集計データとして「カルシウムを多量にとり続け取ると大腸がんになりにくい」との結論が導き出されたことになる。

上記GarbageYuken.comでは執筆段階の学術的推論として、

・食生活と深い関係がある。
・動物性高脂肪、高たんぱく質、繊維質の不足などは発生原因となりうる。
・穀物や豆類、繊維質、チーズや牛乳、魚など良質のたんぱく質、海藻類などは抑える原因になりうる。
・ビタミンCやEが発がん性物質の生成を抑える働きがあるとも言われている。。
・アルコールの過度の摂取や肥満も、大腸がんのリスクを高めるらしい。


などがあげられている。あくまでも経験則的な話で語られていたことのまとめに過ぎず、具体的な医学的検証がなされたわけではなかった。今回の発表は、統計データの分析結果という、いわば数学的な分析結果ではあるが、裏づけのある結論であり、非常に興味深い。

注意したいのは「過ぎたるは及ばざるが如し」「生兵法は大けがのもと」ということ。「がんのリスクが減るからカルシウムを多量摂取しよう」と素人考えで行動すると、かえって他の内臓器官をいためることになる。カルシウムの過剰摂取は特に腎臓の血液ろ過機能に過大な負担をかけるため、内臓、とりわけ腎臓系の疾患を発症させる可能性がある。

「カルシウムが大腸がんに効果的」という話を具体的な成果とし、それぞれ個人に利用するためには、まずは専門家の詳細な分析と活用法の提示を待つのが一番だろう。

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