石油連盟、バイオエタノール混合ガソリン試験販売へ

2006年08月21日 05:30

先に【バイオエタノール、試験販売へ】でも報じた、植物から作られるバイオエタノール混合ガソリンの試験販売の詳細が、ある程度だが[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]によって明らかになった。これによると石油元売り会社などで構成される【石油連盟】が8月19日に方針を固めたもので、2007年の夏から試験販売をはじめるという。

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今回の試験販売では、首都圏を中心に全国50か所ほどのガソリンスタンドで、ハイオクガソリンに添加して販売、既存設備の影響を調べるという。問題がなければ2010年から本格販売に踏み切るとのこと。またこの試験販売に伴い石油連盟では、9月に概要を正式発表すると共に、ブラジルなどからバイオエタノールを輸入する共同会社も年内に設立する予定。

バイオエタノールについては【トヨタ(7203)】がすべてのガソリンエンジンで、エタノール混合率が10%以内のガソリンについて対応できるようにし、【エタノール燃料の普及促進のため、政府が法改正などを模索】にもあるように政府や関係省庁でも体制を整えつつある。今回、石油の流通・販売サイドである石油連盟が本腰を上げるアクションをとることで、バイオエタノールの普及の条件が整ったことになる。

日本では現在年間6000万キロリットルのガソリン需要があるが、石油連盟では2010年にはこの2割相当分に、3%のバイオエタノールを混入したE3を本格販売する計画。この段階では年間36万キロリットルのバイオエタノールが必要になる。政府は今後、安定的な調達ルートの確保も検討する方針。

また今回の元記事では、【農林水産省】がこれまで規格外や生産過剰となった小麦・てんさい(砂糖の材料)を原料にしたエタノールの生産を支援する方針を決めたことも語られている。日本ではバイオエタノールの生産に際し、サトウキビやとうもろこしだけでなく、これらの「虫食いや粒の不ぞろいなどで従来加工用や飼料用に使われてきた分」の小麦・てんさいの転用も行い、生産を後押しするとのこと。農林水産省側ではこの生産のための工場建設に向け、2007年度の予算概算要求に100億円を計上するという。

このように各省庁や業界団体もあわせて積極的にバイオエタノールの普及に動き出すようになったのは、ひとえに原油高という切羽詰った原因によるもの。その意味では多少皮肉ではあるが「原油高さまさま」といったところだろうか。あとは妙な天下り団体や利権集団などに、せっかく到来したチャンスを握りつぶすような無駄使いがされないよう、願うだけだ。


■関連記事:
【環境省、バイオマス燃料の流通促進の方針を固める】
【原油高で注目される「バイオタノール」とは】


(最終更新:2013/08/26)

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