エタノール燃料の普及促進のため、政府が法改正などを模索

2006年08月14日 07:00

石油精製工場イメージ『NIKKEI NeT』が報じたところによると、政府はサトウキビや廃材などの植物を原料とした「バイオエタノール」とガソリンの混合燃料(バイオマス燃料)の利用をうながすため、総合的な対策を講じるという。優遇措置を定めた特区設置や技術指針の策定などが具体案として持ち上がっているとのこと。

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バイオエタノールとガソリンによる混合燃料はアメリカやブラジルなどでは普及しており、特にブラジルはバイオマス燃料の先進国として知られている。一方日本では一部で試験導入されているに過ぎず、この分野では出遅れ感がある。例えば「揮発油等品質確保法」で、エタノール混入が3%に規制されている(そのためE3とよばれている)などが原因。

そこで政府ではこの法律を改正し10%まで認める(つまりE10までOKとする)方向で法改正を検討中であるという。また、エタノールの混入率が高い燃料に対応した自動車を普及させるため、車体の安全性などを定めた技術指針を策定したり、さらには原材料のサトウキビの産地であることから、この分野での各種実験が盛んな沖縄県を燃料生産地の優遇措置を定めた「バイオエタノール特区」にすることなどを検討している。

原油以外にも国内で生産可能なサトウキビや廃材などを原材料とする液体燃料の生産・消費を増やすことでエネルギー源の多様化を進めると共に、価格高騰が続く石油への依存を下げる狙いがあるという。

バイオマス燃料の研究は以前から行われていたが、正直遅々として開発普及は進んでいなかった。しかし一番のネックとされていたコスト高というハードルが昨今の原油高で相対的にクリアされた形になり、急速に状況は進展しつつある。リスク軽減という意味でも国内で調達できる原材料が使える意味は大きい。環境保全の意味でもプラスになる。官公庁においては、今後も積極的に開発や流通促進をしてほしいものだ。


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(最終更新:2013/08/26)

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