金融庁、株式譲渡益や配当の軽減税率、期限延長を要望

2006年08月20日 12:30

株式イメージ『NIKKEI NeT』によると【金融庁】は2007年度の税制改正要望の概要の中で、2007年度末までに期限切れとなる株式譲渡益や配当の軽減税率について、実質的な延長を求めていることが明らかになった。税制面での投資優遇を通じ「貯蓄から投資へ」の流れを勢いづける考えだという。

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軽減税率は株式市場の活性化を目的に2003年に導入された。上場株式などの譲渡益や配当、投資信託の分配金が対象で、通常なら税率は20%(国税15%、地方税5%)のところを特別措置として半分の10%(国税7%、地方税3%)になっている。ところがこれは5年間の時限立法として定められたため、譲渡益は2007年の12月末、配当は2008年の3月末に期限切れを迎えてしまう。

金融庁では投資への熱が冷めないよう、この優遇措置の継続を求めているが、【財務省】では打ち切りを主張している。さらに以前報じたように、【経団連では長期保有株式に限定して継続を求めている】し、【政府税調では解除すべき】と主張し、各所の思惑が入り乱れている状況。

・軽減税率存続派……金融庁、経団連、日証金
・軽減税率撤廃推進派……財務省、政府税調


どの程度の影響が出るかは不明だが、軽減税率が撤廃されれば株式や投信への投資傾向が失われるのは間違いない。いわば「手数料」が倍に増えるのに、これまで以上に積極的に積極的になる人など何人いるだろうか。軽減税率の撤廃は株価そのものの低迷をもたらし、株価低迷は経済の停滞の原因となり、そして経済の停滞は財務省や政府税調が気にしている「税収の低下」につながることになる(まさに「風が吹けば桶屋が儲かる」的な話だが)。

「税収が不足しているから税率上げればいいや」という単純な考えで物事が片付くのなら、どんなに気が楽で簡単なことか。軽減税率撤廃推進派には、もう少しそのあたりを考え直してほしい。実質的には経団連案(中長期保有株式にのみ軽減税率存続)が一番良いように思われるのだが。


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(最終更新:2013/08/26)

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