偽情報スパムメールで株価つり上げをもくろみ100万ドル儲けたイギリスの夫婦が告発

2006年08月24日 06:30

株式イメージ『NIKKEI NeT』によるとイギリス時間の8月21日、特定企業の株価をつり上げるような偽情報のスパムメールを配信して不正に利益を得ていた、イギリスのグリニッジに住むJeffrey Stone(42)とその妻であるJanette Diller Stoneが、アメリカの証券取引委員会(SEC)に詐欺の疑いで告発されたことを明らかにした。この夫婦は株価をつり上げた株式を売り抜けることで、およそ100万ドルの利益を得たという。

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株価をつり上げるスパムメールが最近急増していることはこれまでにも何度と無く報じてきたが、この方法は「pump-and-dump campaign」と呼ばれており、当然のことながら(つり上げて、安いうちに購入していた株式を高値で売り抜ける手口は)違法である。このスパムは全スパムのうち15%を占めているという。

Stone夫妻はこの方法を使って2004年9月に「WebSky」という会社をターゲットにつり上げを行い、株価を3倍にした上で売りぬけ、100万ドルもの利益を得ている。

元記事ではこのスパムの方法は一度に大きな利益を得られる可能性があるため、多くの人たちに魅力的にうつるため、今後増大する可能性があると指摘している。

実際、先に似たような話を具体例を挙げて紹介して以降、類似パターンの株式買いあおりメールが毎日、しかも複数やってくる。「すさまじい値動きをするよ」「水曜日には噴くよ」など、よくぞまあここまであおり文句を考えられるなと感心してしまうほど。恐らくはあらかじめフォーマットを作っておいて、対象となる銘柄のデータを入れ、あとはパターン化していくつか作ってあるテキストを適当に選んでそれらしく見せているのだろう。もしかしたら銘柄を選ぶだけであとは自動的にメールを創ってくれるプログラムもあるのかもしれない。

また、これらのメールでは最近、メール下部に意味の無い単語や文章を大量に羅列してあるのも見受けられる。これはメーラーのフィルターに引っかかって読まれなくなってしまうのを避ける「工夫」なようだ。こんなところに知恵を働かせるのなら、もっと世の中の役に立つことをすればいいのに、とあきれ返ってしまう。

ともあれ、こんな「インターネット資源の無駄使い」なスパマーはさっさと証拠を固めてお縄につかせ、利益の全没収はもちろんその何倍もの追徴金を請求するようにしてほしいものだ。

それにしてもイギリスに住んでいるスパマーがアメリカの証券取引委員会に逮捕されるとは。問題がワールドワイドであることをあらためて思い知らさせる話ではある。


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(最終更新:2013/08/26)

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