株価をつり上げる風説スパムメール、今度はイラストを使いメディアミックス作戦!?

2006年07月07日 07:00

株式イメージ【NIKKEI NeT】において、株価をつり上げて売り抜ける目的のスパムメールの新手法として、「イラスト付で買いあおりを行う方法」が流行りつつあることが報じられた。このイラスト付新スパムを含め、風説の流布を目的としたスパムが多数流通しているとし、注意を呼びかけている。

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記事によると、偽の情報を流して株を不特定多数の人に買わせて株価をつり上げ、自分たちは高値で売り抜けるという、いわば「買え買え詐欺」的なメール(このような手法は「pump-and-dump campaign」と呼ばれている)は昨今急増し、現在ではすべてのスパムメールのうち15%を占めているという。

元記事にはまるでボードゲーム「モノポリー」に登場するようなライトタッチのイラストで、大量の金貨が入った袋を目の前にして小躍りする男性や、儲けた山盛りのお金をにやにやしながら手押し車で運ぶ男性の姿が描かれているスパムメールが紹介されている。

イラスト付「買え買え」スパムメール
イラスト付「買え買え」スパムメール

その横にはアメリカの株価の証券コードと共に「私たちは短期間で株の勝利者になれる。テクノロジーセクターの時代が再びやってきた」などと、それらしいコピーが踊っている。スパムメールとしてはありがちで平凡な言い回しに過ぎないが、ビジュアルに訴えることで通常のテキストスパム以上に受信者の注意をひきつけ、興味を持たせる効果を狙っているのだと思われる。

このようなイラストはフリー素材集を探せばいくらでも出てくる。状況にマッチしインパクトのあるカットを山ほど用意し、ローテーションで次々と新しいイラストを組み込んでスパムテキストと共に配信し、斬新さを演出することも難しくはない。ほんの少しでも効果があがるのなら、スパム送信者らはどんなことでもやるだろう。

今後はHTMLメールを用いてよりキレイな描写のイラスト付のものや、証券会社によるアナリストレポートもびっくりするかのような詳細な表組み・デザインを模した買いあおりスパムが登場することは容易に想像できる。振り込め詐欺やIDの盗み取りと違い、直接メールの受信者から金銭を詐取するわけではないので、余計にタチが悪い。

現在のところ日本語でこのような「イラスト付の買いあおりメール」は確認されていないようだし当方も見たこともないが、今後この手法が日本国内向けにも広まるだろうことは容易に想像ができる。読者諸君におかれては、十分に賢明なのであおりに乗ってしまうことはないと思うが、くれぐれもご注意されたい。


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