石油高騰を受けガソリン大幅値上げへ

2006年07月27日 06:30

時節イメージ[このページ(nhk.or.jp)は掲載が終了しています]が報じたところによると、原油価格の高騰が続いていることから、石油元売大手各社は8月の卸売価格を大幅に引き上げる方針であることを明らかにした。これに伴い小売価格も来月から大幅に値上がりすることは避けられず、1990年以来の最高値になるという見方も強まっている。

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【出光興産】は7月26日、「原油の調達コストが上がって経営努力では吸収しきれなくなった」とし1リットルあたりのガソリン卸売り価格を8月から2円80銭値上げすると発表。【出光、石油製品の卸値を1リットルあたり2.4円緊急値上げ】にもあるようにすでに同社は7月中旬に2円40銭の値上げを実施しており、これとあわせると5円20銭の値上げとなる。また【昭和シェル石油(5002)】でも8月から1リットルあたり6円の値上げを決めた。

さらに石油元売大手ではすでに7月24日、【ジャパンエナジー】がガソリンの卸売価格を8月から1リットルあたり5円50銭値上げすると発表。最大手の【新日本石油(5001)】も本日27日にも大幅な値上げを発表する見通しだという。

【石油情報センター】が発表した【給油所石油製品市況週動向調査(PDF)】(7月26日付け)によると、7月24日の時点で全国の平均小売価格は1リットルあたりハイオクで148円、レギュラーで137円、軽油で114円、灯油で1456円(18リットル)と、いずれも高値の状態が続いている。

このままいくと卸売価格の大幅な値上げでレギュラーの小売価格が8月には140円を超えるのではないかという見方が強まっており、もし超えるとなればイラクがクウェートに進行した第一次イラク戦争以来の高値になる。

市民の間にはレジャーをひかえたり他の娯楽を止めたりすることでガソリン代をどうにかしようとする一方、燃費が良くなる天然ゴム製タイヤを用いたり、燃費がリアルタイムで表示されるメーターを新たに取り付けてガソリンの節約を図る動きが広まっている。一方石油関連商品を使わざるを得ない業者(運送業)などの間には、コスト削減も限界にきているとし、値上げに踏み切らざるを得ないとするところも多い。

しばらく前に某先物取引の著名人は「原油価格の取引額が100ドルに達するだろう」と予想していた。当時は「そんなのありえないだろう」と半ばあきれ返る向きで世間は受け止めていたものだが、今やそれも冗談ではない状況にある。今後しばらくは、ガソリンをはじめとする石油商品価格の高騰を止めるすべはない。

これをきっかけにバイオエタノールや太陽電池、風力発電など、さまざまな代替エネルギーの技術開発が推し進められれば、それこそ資源の少ない日本にとっては「災い転じて福となす」に違いない。ピンチをピンチとしてとらえず、チャンスと考えるべきなのだろう。

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