出光、石油製品の卸値を1リットルあたり2.4円緊急値上げ

2006年07月11日 07:00

時節イメージ【NIKKEI NeT】によると【出光興産】は7月10日、ガソリンや軽油など石油製品の給油所向け卸値を7月15日出荷分から1リットル当たり2.4円引き上げると発表した。同社では通常、原油・為替相場の動向を参考に、毎月初めに卸値を改定している。今回のような月半ばでの緊急値上げは4月21日の2.1円/リットルに続くもので、今回は前回以上の大幅な緊急値上げとなる。

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出光興産ではすでに7月1日にも前月比で1リットルあたり0.5円の卸値引き上げを実施したばかり。半月で値上げを大幅に行う理由について、「4月と同様、原油価格が地政学的リスクなどで前回の値決定時に比べて大幅に上昇しているため」と説明している。また今回の発表の中で出光側では、「原油・為替相場が現状の水準で推移すれば(環境が悪化すれば、ではなく)8月の定期見直しの際にも1.0円前後引き上げる」との意向を明らかにした。

原油価格が下落したり為替相場が好転すれば値下げもありうるが、出光側では「現状ではコストの上昇分を十分にガソリン価格に転嫁できていない」とし、しばらくは値下げの可能性が低いことを示している。

「原油価格の高騰とそれに伴う元売からの値段上昇は続き、一方でスタンドの競争激化で価格の値上げは最小限に抑えねばならず、結果的にガソリンスタンドの収益が圧迫されて経営的に厳しい状況が続いている。消費者の立場からしてみれば「1円でも安いスタンドを使いたい」というのが切実な願いだが、競争が度を過ぎてスタンドそのものの整備数が減ってしまうのでは身もフタもない。慢性的な原油高が解消されるか、代替エネルギーの登場を待つしかないのかもしれない」とは先にコメントした内容だが、このような状況はどの石油製品の元売会社やその系列ガソリンスタンドでも同じようだ。恐らくは同業他社も遅かれ早かれ追随することだろう。

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