年金運用益過去最高達成、8兆6811億円に

2006年07月20日 19:30

株式イメージ国民年金と厚生年金の積立金を市場などで運用した結果、昨年度(2005年度)の運用益は8兆6811億円となり、過去最高額となると共に3年連続の黒字になったことが【年金積立金管理運用独立行政法人】の報告書によって明らかになった(【資金運用業務概況書(概要版)】)。

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現在国民年金と厚生年金の積立金の管理運用は、今年度設立された「年金積立金管理運用独立行政法人」によって行われている。今日発表された概要書などによると、昨年度は企業収益の改善とそれに伴う日本国内の株価の上昇を受けて、運用収益は前年度を6兆4392億円上回る8兆6811億円となった。これは過去最高額であり、2003年の4兆4306億円、2004年の2兆2419億円から続いて3年連続の黒字。

また、2005年度の収益は、国内債券はマイナス、国内株式・海外債券・海外株式はプラスとなり、修正した上での市場運用分総合収益率は14.37%のプラスとなり、これは前年度を9.77ポイントも上回る好成績となっている。

収益のうち1兆9611億円は運用される積立金とは別に、今年度給付される年金の財源となる、年金特別会計に納付されることになっている。先に【年金積立金の運用益、昨年度は7兆8600億円に】で報じた額よりも最終的にさらに利益がふくらんだことがうかがえる。

株価が低迷している時には「PKO(プライス・キーピング・オペレーション)」と称し、年金買いによる株価の買い支えが色々な意味で話題になっていた。株主からは救いの神的存在としてあがめられた一方で「損ばかりして年金の無駄使い」「政策で年金を無駄打ちするのはどうなんだろうか」という非難の声も少なくなかった。

しかし「年金買い」もいわば株価が堅調になれば今回のように多額の利益を産み出す。景気は循環するものという大前提が必要であるが、

・株価が安いとき……年金資金で大量に安値買い(株価安定策にもなる)
・株価が高いとき……利益確定で株価ヒートアップを抑えると共に年金財源を補完する


という循環を繰り返すことで、健全な運用が行えるような気がしてならない。さらによく考えれば、この手法は個人の投資家にも通用するものだろう。もちろんそれなりの資金があり、買い下がり(ナンピン)を十分に行う精神的・資金的余裕があることが前提となるのだが。

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