今後の相場展開をTOPIXから予想する……日経平均は1万3000円台後半まで、そこを抜けると1万2000円台へ

2006年06月08日 19:30

株式イメージ年初のライブドアによる証券取引法違反事件や原油高、さらには先日の村上ファンド騒動で今年はどうも株価の上値が重い展開、どころか5月に入ってからはずりずりと値を下げ、先日からは暴落に近い下げを続けている東京株式市場。やれRSIがどうだのサイコロジカルラインがどうだのという専門的なテクニカル分析をするつもりは毛頭ないし、そのスキルも持ち合わせていないのだが、チャートをざっと見た分にと信用取組から直近の相場展開を予想してみることにした。

スポンサードリンク

柄にも合わないこんなことをしたのも、実はあまりにも手持ち銘柄が値を下げ続けているので気晴らしにとでもいうことに他ならない。あくまでも当方(不破)は現物買いのみなので追証発生とか強制売買ということとは無縁だが、ポートフォリオ(自分の手持ち銘柄一覧)が前日比マイナスで真っ青に染まり含み損が増えていく様子を見る毎日が続いたのでは気分もよろしくない。ここは発想を転換し、このような状況を楽しんでネタにしてしまおうというわけだ(信用売りをすれば良いという意見は却下。自分はまだ信用取引ができるほどの蓄財も経験もない)。

さて。ぱっと見のチャートで判断をしてみることにしたのも一応根拠がある。それは「多くの人が同じような判断をしているだろうから」ということ。チャート動向は株式の取引の結果であるが、自然現象によるものではなく、人の思惑の結果として記録されるもの。例えば「水が100度になると沸騰する」とか「水は絶対零度の-273.15度以下には下がらない」というものとはワケが違う。多分に思惑が反映される。意識の集合体ともいえる。

つまり、市場動向においては「はじめに法則ありき」ではなく、「多くの人がその法則を信じることで、法則自体が精度を増してくる」というものだ。これも例えるのなら、「この銘柄は100円まで上がったら急落する」と多くの人が信じれば、100円近くまでは上がるものの、あとはチキンレースとなり、じわじわと売りが増え、結局100円近いところで値動きを止めることになる(もっと分かりやすい例として、TOB価格が決まった直後の銘柄を挙げておく)。これは過去に【不確定性原理とテクニカル理論】で説明しているので、ヒマがあれば目を通していただけるとありがたい。

トピックス動向とトレンド線
トピックス動向とトレンド線

さて前置きや蛇足が多くなりすぎた。東京株式市場の動向を1990年までさかのぼり、トピックスの動向で着目してみる。直近の最高値は4月から5月につけた1750前後。この値は過去において2000年3月、1996年6月、1994年6月、1993年7月における高値とほぼ同じ(②)。いわば心理的天井だったわけだ。ここを仮に超えて1800台まで突破してくれれば、1991年3月につけた2000台まで上昇する可能性もあったのだが(①)、残念ながらそれは適わず反転してしまった。

なぜ過去と似たような傾向をとりうるかということについては上で説明した通り。経験則から「恐らくここらくらいまではいくだろう」「ならば今は買いだ(売りだ)」と判断する人が多くなるからだ。一言で説明すれば「大衆心理」というもの。

4月下旬を天井として日経平均・トピックスは下落を続けている現状なわけだが、どこまで下げるかを同じくトピックスのチャートから見てみると、先に「雑感」でも何度か言及したように、直近のトピックスにおける底値、1100くらいまでは可能性があると見ざるを得ない(⑤)。この場合、「トピックス1750の際に日経平均が1万7500円前後」だったことから単純計算すると、日経平均で1万1000円台まで落ち込む可能性がある。

「そこまで落ちることはないはず」と思うのなら、2001年の上値・1997年5月の底値である1300強(日経平均換算で1万3000円後半)(③)、恐らくは2004年5月の高値・1997年末の底値である1200台(日経平均で1万2000円台)(④)までの下落の可能性が高い。そもそもここ1年の間にトピックスで1200弱から1750まで急上昇したのだから、トレンドが変わった以上、そこまで(1200台まで)落ち込むことも十分考えられる。

今回の下げ相場で特に問題視されているのは「信用買い」の急増とその処理。要は証券会社から手持ち株式や現金を担保に借金をして、株式を買う仕組みなのだが、その仕組みを使ってナンピン(手持ち銘柄が下がったときに買い下がる購入方法。取得平均単価を下げる狙いがある)した投資家らが頭を抱えている状況が今だといえる。

株価下落が大人しい時はまだ信用買いの枠を使ってナンピンをしていたものの、さらに値下げに歯止めがかからず、担保としている株式の株価も下がる。担保価値が下がれば借りれる現金の枠も少なくなるため、担保不足として現金の入金を迫られる(追証、というやつだ)。これができないと信用買いをした株式の強制売買が行われてしまう。

信用買いをした場合いつかは売りを行う必要がある。が、株価が下がっている時に売りをした場合は当然損をするため避けたい。だからさらにナンピンをする。だが株価が下がり担保価値が落ちているので信用買いの枠はますます少なくなる……というようにスパイラル的に窮地におちいってしまう。

これが現物売買だけなら問題はない(塩漬けという選択肢もとれる)のだが、信用売買の場合強制的に売買される、あるいは売りを決断せざるを得なくなるため、信用買いが信用売りより大きい銘柄では、大きな売り圧力となる。

ゴールデンウィークまでの上昇相場で、信用枠をも用いて無理やり買い進めた投資家があまりにも多かったことについてはかねてから懸念されていた。今現在、それらの信用買い株式が担保不足などで一挙に(損をしててでも)売りに出されているというのが現状だろう。売りに出される株式が増えればそれだけ値が下がるため、相場全体にはプレッシャーとなる。そして株価が下がれば担保価値が減るため、また強制売買が……という形だ。

この信用買いを発端にした売りの連鎖反応は、信用の取組がある程度解消されるまで続くものと思われる。それが先に推測した③か④あたりまでではないだろうかと考えられるのだ。

1月のライブドアショックの際には一日で日経平均ベースで750円近い下げを記録した。それと比べれば本日の下げは(一時前日比-610円まで下げたが)-462.98円と、まだ酷くはない。が、ライブドアの時には強制捜査とマネックスの掛け目ゼロというファクターがあったのに対し今回は特に大きなインパクトを与えた事件はない(村上ファンド云々はあるが、タイムラグが長すぎる)。ここ数週間ほどのアンニュイな下げ基調が積み重なり、今日、一挙に噴出したような印象がある。出来高も26.0億株とそれなりに大きいが、セリクラ(セリング・クライマックス、売りが最高潮に達した状況。アクが抜けて反転する前の傾向の一つ)と呼ぶにはまだ物足りない気がする。

明日はメジャーSQであり週末でもある。大波乱な相場展開となることだけは間違いあるまい。何か大きな買い要素がない限り、このまま軟調な相場状況が続き、上で推測したトピックス1300強・日経平均1万3000円後半、あるいはトピックス1200台・日経平均で1万2000円台までの調整もありうるだろう。

ちなみに当方は繰り返しになるが全部現物買いなので追証とかの心配はないものの、正直辛い。優良銘柄まで軒並み下げているのには頭を抱えてしまった。配当利回りが(リートでもないのに)4%や5%という銘柄まで出てくる始末。個々の銘柄の信用取組を注意深く観察し、状況が改善されたところで底と見るしかないか、と考えてはいるのだが。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ