100円ショップが「100円」ショップで無くなる日

2006年06月18日 10:00

100円ショップイメージ【日刊ゲンダイ】に、100円ショップ商法が曲がり角に来ているという指摘があった。曰く、「商品何でも100円がセールスポイントのはずなのに、200円や300円など、100円を超える値段の商品が目につくようになった」「高額商品コーナーを設置している店もある」とのこと。思い返してみれば、確かに最近の100円ショップは「何でも100円」ではなく、「多くが100円。でも150円とか200円、300円、500円とか1000円のもあるよ」という状況にある。これではじきに、「100円ショップ」では無くなってしまうかもしれない。

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もちろん「100円」はともかく「200円」「300円」では高値を感じてしまうので、店側でも気を配っている。「端数商法」よろしく値段も「200円」ではなく「199円」とか「198円」であくまでも安さを演出。

【キャンドウ(2698)】ではこれまで実験店舗で実施してきた「300円」「500円」の日用雑貨を扱う店を本格展開するという。またダイソーでは6月、税込525円の名曲CD集を発売している。

元記事ではこの傾向を、原油高など原材料費の値上げだけではなく、ホームラン級のヒット商品が出なくなったから、と分析している。大手コンビニの新規参入もあり、100円商品があふれかえり、買い手が驚かなくなったというのだ。

ローソンストア100イメージ思い返してみれば、上場企業だけでも100円ショップの類は先のキャンドウ以外に【ワッツ(2735)】【ショップ99(3338)】【セリア(2782)】などがある。また【ローソン(2651)、100円ストア「ローソンストア100」出店加速へ】でも報じたように【ローソン(2651)】をはじめ大手コンビニ各社も100円ショップの形態に興味を持ち、一部は実際に参入を果たしている。営業時間が長く、さまざまな商品を提供するという意味ではコンビニも100円ショップも変わるところはない。客を奪われつつあると判断したコンビニが、ライバルたる100円ショップから学び、同種店舗を展開するのは自然の流れといえる。結果として競争は激化する。

他社との差別化を図るためには色々と「驚き」をお客に提供する必要があるが、販売価格100円では限度がある。そこで価格帯を引き上げた商品を送り出すようになったわけだ。

このような事情からか、コンビニ大手でもこの業態への進出を躊躇する動きがあるという。【エーエム・ピーエム・ジャパン(2688)】【スリーエフ(7544)】などでは今後の出店計画を見直すとのこと。

かつて消費税の利率が3%から5%に上がり実売価格が100円や99円で無くなった際に、ある100円ショップでは「お支払いいただく代金はショップ名通りではなくなりましたが、この価格名はブランド名としてご理解下さい」という説明がされていた。価格帯の引き上げといい、100円ショップの「たくましさ」は筋金入り、といえるのかもしれない。

すでに「300円ショップ」「500円ショップ」「1000円ショップ」も登場している昨今。今の「100円ショップ」も近い将来、「100円ショップ」を単なるブランド名とし、「安価な商品ショップ」的な形になるのだろうか。しかしそうなると、「機能限定的な安めのコンビニ」とどこが違うのか、首を傾げてしまうところでもある。その点に注意しないと、100円ショップ自身が自らの存在意義を否定してしまうことになるだろう。

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