配当益や売買益、さらには総会発議や国の「支配」も可能 『君主』内で株式公開実施中

2006年05月22日 06:30

君主イメージ先に【オンラインゲーム『君主』内で都市国家の株式公開を2月3日に実施】でも報じたように、多人数同時参加型ネットワークロールプレイングゲーム【君主】内で、現在株式のシステムが導入・運営されている。ゲームにおける一要素ということもありシステム的にはかなり簡略化されているが、それなりに本格的な面もあり、興味深いものがある。

スポンサードリンク

『君主』内における株式は、世間一般の「企業の株式」ではなくゲーム内に存在する各国家の株式である。いわば「地方債・国債」に「企業の株式」のような権限が一部追加されているようなもの。ホンモノの地方債や国債はいくら買いこんでも地方や国の意思決定をコントロールすることはできないが、『君主』の株式ではそれが可能となる。

『君主』の株式の特徴は次の通り。

・国の収益に応じて配当がもらえる。
・株式がプレイヤー間で売買できるのでキャピタルゲイン(売却益)が期待できる。
・持株数に応じた株主総会(国の治世決定機関)での発言権を得られる。
・国守決定の株主総会を発議できる(3%以上保有が必要)


ゲーム内の一機能にしてはよく出来た、そして株式の仕組みをうまく取り入れたシステムといえよう。国の開国時におけるブックビルディングに近い仕組みや、証券取引所でのオークションシステムによる株式の売買(通常のアイテムと同じように取引できるという)なども用意されている。それらの仕組みをうまく利用すれば、上記の特徴以外にも実際の株式取引と同じように「株価のつり上げ」や「株式の買占めによる交渉」、さらには「株価情報の提供ビジネス(ゲーム内における)」なども不可能ではない。ちなみに信用取引や「空売り」のシステムはさすがに無いようだ。

経済の発展とプレイヤーの増加、「株式市場」の拡大化によって、『君主』内の経済がどのように影響されていくのかがみものといえる。

ちなみに「多人数同時参加型ネットワークゲーム」内における「株式市場」システムの導入は、海外では【Project Entropia】が有名。このゲームはPEDと呼ばれる通貨が用いられているが、実際の金銭とやり取りされることが前提となっている。つまり「リアルマネーオンラインゲーム」という特性も持っている。そして「Project Entropia」では証券取引所での株式のやり取りだけでなく、会社を起業し、ゲーム世界内で「株式市場に上場」することまでできるという。

日本国内産のゲームではシミュレーションゲームで、せいぜい「勝手に値動きする株式を売買して利ざやを稼ぐ」というシステムがオマケに入っている程度。もう少し、ゲームの世界内でも本格的な株式の仕組みを取り入れたシミュレーションゲームが出てこないものだろうか。


(C)2005 Ndoors Corporation., All rights reserved. c2005 Gamepot Inc., All rights reserved.

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ