アメリカ産牛肉輸入再開に向けて「すき家」は当面使用しない、「吉野家」は2か月後に販売再開

2006年05月24日 19:30

すき家牛丼イメージ「すき家」などを展開する牛丼チェーン最大手のゼンショー(7550)小川賢太郎社長は5月23日記者会見の中で、政府が6月にも輸入再開を決定するアメリカ産牛肉について、「安全性が確保できない」とし当面は使用しない方針を明らかにした。ゼンショーは過去にもアメリカ産牛肉の検査体制には懐疑的で慎重な姿勢をつらぬいており、今回もその方針に従ったものと思われる(【参照:asahi.com】)。

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記事によれば小川社長は「(危険部位が混入しないようアメリカ側が)注意するだけなら、20世紀後半の安全水準にも満たない。システムを変えてもらいたい」とし、ゼンショーグループでの店舗におけるアメリカ産牛肉の使用再開は、全頭検査の導入など、安全確保策の改善が前提との考えを示した。

一方【吉野家(9861)】は安全性に問題は無いとし、輸入再開が果たされれば1か月から1か月半程度でアメリカ産牛肉を使った牛丼販売を始める計画。【松屋フーズ(9887)】では「絶対に使わないというわけではない。ただ、慎重に見極める」としている。

食の安全という観点と会社の方針、それぞれの会社の主力商品の問題などから、同じ牛丼大手でもこれだけ対応が異なるのが見て取れるよう。消費者がどの会社を選択するかは、まさに消費者一人一人の自由であり、味や値段などその他要因もあわせて選ぶべき、というしかない。

ただこれが消費者ではなく投資家の立場の場合には、消費者の動向やSRI、そして各種報道で他の投資家がどう反応するのかを見定めて売り買いする必要も出てくるだろう。その際には各社の、アメリカ産牛肉への対応の仕方も忘れずに頭に入れておくべきだ。

蛇足だが、いつのまにかゼンショー(すき家)が「牛丼最大手」になっていたのは少々驚き。考え直してみれば、ゼンショーはオーストラリア産、松屋は中国産などの牛肉を使って牛丼を販売しているのに対し、吉野家は牛丼そのものの販売を再開していない以上、当然といえば当然なのだが。


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