中川農相、過剰生産の牛乳を第三国や特定地域への緊急援助に活用と提言

2006年04月05日 07:30

牛乳イメージ【中日新聞】などが報じたところによると、先に【作りすぎで「捨てた牛乳100万本」、今後その10倍の1000万本になる可能性も】でも報じたように牛乳そのものや乳製品の需要低迷に伴い北海道で牛乳の生産が過剰となり、3月には牛乳の一部が産業廃棄物として廃棄された問題で、中川昭一農林水産相は4月4日、余剰牛乳を政府が買い上げた上で、海外の貧困や飢餓に苦しむ地域に向けて緊急の食糧援助に活用する方針を明らかにした。首相の了承も得た。【農林水産省】ではすでに加工食料(脱脂粉乳)などによる援助の検討を始めているが、生産過剰による食糧援助は例がないという。

スポンサードリンク

具体的には牛乳を保存・輸送できるよう加工した上で、【外務省】などと協議して援助対象国を選定し、「緊急かつ例外的」に援助する考えを示したという。中川農相が「(余って廃棄した牛乳について)もったいない。食糧不足に苦しむ人たちに援助したい」としたところ、首相も「有効利用を考えてもらいたい」と返答したという。

なお、今後は生産調整を行うことや学校給食への需要再開、乳製品の過剰在庫の改善傾向も見られるため、新たな廃棄は必要ない見通しであるとのこと。

元記事のタイトルを読んだときは「どうやって長期間生の牛乳を保存できるようにするのか、それができないから廃棄したのではないか」という疑問が浮かんだが、どうやら脱脂粉乳などに加工した上での輸出のようで納得させられた。とはいえ、先の記事にもある通り、加工工場そのものの処理能力が追いつかないという現状だからこそ牛乳が余っているのであり、緊急に余剰牛乳の手当をつけねばならない点において根本的な問題解決にはなっていないような気がしてならない。

援助先としては、いまだに国内の混乱が続いているイラクに対して、というのはどうだろうか。ニーズは高いはずだ。どのみち軍需備蓄に回されたり、受け取られても体制側からの配給として語られて日本の援助であることを告知されなかったり、逆に疎まれるような可能性が容易に想像できる近隣某国へ手配するのは、たとえ今回のような状況があったとしても得策ではないだろう。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ