【更新】ソフトバンク(9984)のボーダ買収は2段階方式で資金調達

2006年03月08日 08:30

[YOMIURI ONLINE]によると、[ソフトバンク(9984)]がイギリス・ボーダフォンの日本法人を買収する際、ソフトバンクが新設する子会社が金融機関から資金を集めて買収する「2段階方式」を採用することが3月7日明らかになった。2兆円はかかるのではないかとする巨額の買収資金の調達方法として、自己資金が少なくともそれを元手に多額の資金を集めて買収の迅速性を狙うとしている。

スポンサードリンク

記事によれば、(1)ソフトバンクの手持ち資金で1000から2000億円を出資して新会社をまずは設立。(2)その新会社が金融機関などから1.5から2兆円の資金を集め、買収資金を確保するという計画。(2)の資金のうち、1兆円前後については【ソフトバンク(9984)のボーダフォン買収資金調達、LBOで過半の1兆円をまかなう】でも報じたとおり、買収先のボーダフォン日本法人の資産を担保に資金を借り入れる「レバレッジ・バイアウト(LBO)」の手法が用いられる。

そして資金を得た新会社は、イギリス・ボーダフォンが所有する97.7%の日本法人株を取得して、ボーダフォンの日本法人と合併する。新会社は優先株(議決権はないが配当が高い)を数千億円分発行して、イギリス・ボーダフォンが引き受ける。これは日本法人の売却後もイギリス・ボーダフォンがソフトバンクとの提携関係を築くのが狙い。ソフトバンクとしても(連結ベースではあるが)買収資金を増やせる利点がある。

ただしこの新会社方式を使うと、ソフトバンク単体の負債は増えないが、連結ベースの有利子負債は急増する。そのため、財務内容の悪化を懸念する声もあり、早速アメリカの格付け会社も格下げを検討しているという。

総計2兆円もの金を投下するということは、それだけ本腰を入れてソフトバンクが携帯事業への参入を決意したことに他ならない。短期的には財務内容の悪化から株価の下落の可能性もあるが、成功裏に事が進めばそれ以上の評価を得られることだろう。ただ、一、二年では決着はつきそうにもないが……。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ