【更新】国民年金の保険料免除制度が2段階から4段階に

2006年03月23日 19:30

時節イメージ[YOMIURI ONLINE]において、国民年金の保険料の多段階免除制度の新システムが7月に導入される件についての解説が行われた。これは現行の半額・全額免除という2段階の方式から、所得に応じてよりきめ細かく対応する4段階方式に変わるというもの。さらに対象者も拡大することになる。実施を行う【厚生労働省】側では、保険料納付率の改善策の柱と位置づけている。

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記事などによると、改正後の「多段階免除制度」では全額・3/4・半額・1/4免除というように、25%ずつの免除額が設定されている。免除対象枠も広がるため、これまで免除の対象にならなかった人も、1/4免除なら対象内、とされる場合もある。ちなみに単身世帯の場合、1/4免除の対象は年収(所得。収入から必要経費などを引いた額)が189万円以下(給与所得者の場合は296万円)が目安。

免除制度の意義は、加入期間を蓄積するところにある。国民年金の未納を続けていると、原則25年以上の最低限加入期間を満たさず、年金そのものが受け取れない。免除制度を利用すれば、たとえ全額免除でも加入期間として計算されることになる。もちろん、年金は基本的に「国庫負担分」と「保険料」を元に計算されるので、免除され減額支払いした分は、年金を受け取る段階で減額される。

このようなメリットがあるものの、厚生労働省側の思惑通りにいくかどうか、疑問視する声は多いという。半額免除制度は2002年に導入されたが、この制度導入で新たに半額免除対象になった人のうち実際に納付した人の率は1割程度に過ぎないという。試算では今回の多段階免除制度の導入で0.9%ほど免除対象者が増えると見込んでいるという。

記事でも指摘されていたが「今から多段階免除制度で国民年金に入っても、最低限必要な25年をクリアすることができない」という人は制度導入などお構いなし、だろう。また、選択肢が増えること自体は喜ばしいが、実質的に今回の改正でもっとも注目される1/4免除にしても、厳しい人にとっては厳しいし、「たとえ支払い負担が減っても、もらえる額がその分減額されるのなら……」とちゅうちょする人も少なくないはずだ。

より多くの人に活用してもらうべく今回のような対策を練るのはもちろん重要だが、それとともにもっと抜本的な改正・変更が必要な時期に来ているのではないだろうか。

なお、元記事では分かりやすい図解で詳細に仕組みを説明している。気になる人は是非そちらも確認してほしい。


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