【更新】国民年金未納対策強化閣議決定、アメとムチの政策へ

2006年03月12日 12:10

[YOMIURI ONLINE]によると政府は3月10日の閣議で国民年金保険料(一般にサラリーマン以外の自営業者などが入る年金)の未納対策の強化を柱とする、社会保険庁改革関連法案を決定した。政策法案はいわば「アメとムチ」の内容となっている。

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「ムチ」の面は、保険料の未納者に対して国民健康保険証の有効期限を限定した「短期保険証」の発行を可能とする制度を盛り込んだもの。更新の頻度を高め窓口にくる機会を多くさせることで、年金支払いを「お願い」する機会を増やそうというもの。また、保険医や社会保険労務士など6業種に関し、悪質な保険料の未納があった場合は2008年度から公的指定の更新を認めない制度も設ける。

「アメ」の面は保険料の納付を簡単にするというもの。具体的にはクレジットカードによる納付を認めるという。また住民基本台帳の活用により、加入者は住所変更の届出が不要となるサービスも提供。さらに年金受給資格の最低25年間加入から逆算し、34歳の未加入者への勧誘強化も行う。手をかえ品をかえ、現在64.8%と7割を切っている国民年金の納付率を高めたいようだ。

さらに今法案では、社会保険庁そのものを廃止・解体し、リストラクチャリングや人材登用などを行い、新しい組織「ねんきん事業機構」を新設し、年金事業はその機構で行うようにするという。

法が許し、矛盾や無理が生じない範囲でなら年金保険料不払いへのペナルティを増やしても良いとは思うが、拡大解釈や領域外の対応策を取ることになると、反発は必至だし論理性に欠けることになる。また、そもそも「なぜ納付率が低いのか」の原因を考察しなおし、徴収側自らが非難を浴びるような内容についても目をそむけることなく、対策を講じることが必要だと思われるし、状況の改善には欠かせないものとなるのだろう。

「高いから払いにくい」という人も、先の支払いが完全に保証され、それを予見できるような「現状の政策が実行されていれば」、払う人も増えてくるはず。ところが現状は浪費や天下り絡み、下手な運用だのと無駄遣いを繰り返すありさま。これでは、高い保険料を払いたくもなくなるものだ。

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