「脳を鍛える」川島隆太教授監修の学研調査結果本の中身を拝見

2006年01月17日 12:10

先に【次は「DS写経」? 脳活性化には写経が一番との研究結果】で報じた、『東北大学未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング』などの監修で名を知られている東北大学の川島隆太教授が学研(9470)との共同研究で「脳活性化には写経が一番効果が高い、オセロはもっとも効果的なリラックスグッズである」などとした話の続報。この元記事で記されていた「特別擁護老人ホームに配布される予定の研究結果をまとめた冊子」を入手することができたので、簡単ながらここに紹介することにする。

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高齢者のアクティビティグッズイメージ冊子の名前は「高齢者のアクティビティグッズ」。タイトルからも分かる通り、高齢者のアクティビティ(行動)とその用具類にスポットを当てた冊子。副題は「高次脳機能イメージング研究の観点からリハ・レクの効果を検証」とある。高齢者の急増とそれに伴う介護関係の法律の刷新によって、自主的・家庭内における自発的な介護が重要視されるようになった昨今、ピンポイントなターゲットマッチ企画といえるだろう。

内容はといえば、正直「もっと大規模に公開するべきではないか」というほどの内容。まず10ページほどに渡り川島教授らによる実証実験の研究成果が語られ、その後に多種多様な遊戯・玩具をカテゴリー別に分けた上で、カテゴリー別の大まかな効果の説明や、各アイテムの具体的内容の説明が写真付で紹介されている。

研究結果のページでは「高次脳機能と学習療法」「高齢者とアクティビティの効果を実験する」の大きく2項目に分け、例えば前者なら「大脳の領域とはたらきの基礎知識」「人間だけに与えられた高度な前頭前野」など、専門的な用語を含めつつも図解入りで具体例を多数おりまぜながら研究結果を分かりやすく紹介している。「痴呆症状は改善できることを発見」など、興味をそそられる内容も多い。

高齢者のアクティビティグッズ・研究成果発表ページの一部
高齢者のアクティビティグッズ・研究成果発表ページの一部

さらに驚いたのは冊子後半のアイテム紹介コーナー。すべてのアイテムに対して「脳活性度実験データ」が記載されている(一部実験予定のものあり)。それぞれのアイテムで実験にて脳のどの部分が活性かしやすいのかが図解と数値で掲載しているだけでなく、それぞれの深い意味も説明されているので、個人の状況にあわせた選択が可能となる。

東北大学未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング』はたまたま誰にでもすぐに手に入り、プレイ方法も簡単であるなどハードルも低いことから、多くの人に受け入れられ、その内に秘める素晴らしい効果がスポットライトを浴びることになった。どんなに良いものでもそれがまずは多人数の目に留まらないことには評価されることは難しい。口コミも、偶然に左右されることが多い(バイラルマーケティングなどを使う手もあるが費用対効果の問題もある)。まずは是非ともこのような良質な、可能性のある情報をもっと多くの人の目に触れるよう、学研には頑張って欲しいものである。


(最終更新:2013/09/19)

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