【更新】ライブドア(4753)、投資組合を悪用し自社株売りぬけ40億円獲得か

2006年01月19日 08:00

[YOMIURI ONLINE]によれば一連の[ライブドア(4753)]に絡み証券取引法違反事件の中で、同社が株式交換による企業買収の過程において実質的に支配下にある投資事業組合を介在させ、自社株を売りぬけさせていたことが「関係者の話」で明らかになった。この売却益は判明している分だけで40億円前後とされており、その大部分はライブドアに還元されたという。東京地検特捜部もこの事実を把握済みで、組合の設立に関与した会社やそれを傘下におく[エイチ・エス証券(8699)]をすでに証券取引法違反容疑で捜索している([発表リリース、PDF])。

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エイチ・エス証券のリリースによると、この投資事業組合の名前はJMAMサルベージ1号投資事業組合。この組合は[日本M&Aマネジメント]が業務執行組合員を務めているが、当会社はエイチ・エス証券の100%子会社であるエイチ・エスインベストメントが50%の議決権を持つ連結子会社。一方、JMAMサルベージ1号投資事業組合はライブドアが資金を出し、実質支配していた。

ライブドアはロイヤル信販(現[ライブドアクレジット])と「キューズネット」を株式交換で買収すると発表。だがそれまでに同組合は両社の全株を取得している。そして株式交換は、「ライブドアが同組合からロイヤル社・キューズ社の株式を受け取る」「同組合が新規発行されたライブドア株式を受け取る」という形で行われ、さらに同組合はライブドア株を海外ファンドに売却して利益を獲得(40億円前後)。元々同組合はライブドアが実質支配しているので、最終的に利益の大半はライブドア本体に還流したという。

つまり「株の交換で買収しましょう」という相手を、投資事業組合を用いてあらかじめ安価で買収しておくことで、交換する相手を半ば自社自身にしておいてから交換する、エセ増資のようなものである。

記事によれば投資事業組合は登記の必要がない(つまり情報公開の必要が無い)民法上の任意組合であるため、外部からは分かりにくいところがあるため、ライブドアがこのような工作に用いたものと思われる。またこのような工作は、バリュークリックジャパン(現[ライブドアマーケティング(4759)])による出版社買収でも用いられている(こちらはVLMA2号投資事業組合、【参照記事:ライブドア嫌疑の取引利益、ライブドア本社「など」へ数億円還流】)。

先に記事(【ライブドア(4753)、関連会社だけでなく自社も粉飾決算、利益付け替えで黒字化】)で取り上げたとおり、ロイヤル・キューズ両社はライブドア本体の粉飾決算の際にも利用されている。

現在日本M&Aマネジメントのサイトでは「活動記録 準備中」とだけあり過去の業績は表向き掲載されていない。だがページのソースを見るとコメントタグで非表示にされているだけであり、中を見ると今件の投資事業組合について、「2004.05 企業再生ファンド「JMAMサルベージ1号」立ち上げ」という表記が見て取れる。また類似案件もいくつかその姿を見ることができる(ソースそのものも消される可能性があるので、その場合は【こちらから。2005年3月25日段階のキャッシュデータ】)。キャッシュデータを見る限り、1月12日の段階ですでに「活動記録 準備中」という表記に差し替えられており、この時点で何らかの動きがあったことが察せられる。

なお[別件で報じられたが(YOMIURI ONLINE)]今件に絡み、ライブドアグループ会社キャピタリスタ社長も務めたエイチ・エス証券の副社長N氏と見られる男性の遺体が沖縄県で発見された。沖縄県警では現在身元の確認を急いでいるという。

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